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80:最後の襲撃 ページ37

それは突然の夜の訪問だった。


ガウンガウンッ!


シンと静まり返った屯所に、
突如として鳴り響いた銃声。

その音に飛び起き、
寝間着から急いで着替えて
大通連を腰に佩刀した。


この銃声は匡ちゃんの銃だ!


障子を勢いよく開け放ち、
音が聞こえた門の方へと一目散に走り出す。

縁側から見える姿は、
何故かちー君と匡ちゃんだけだった。




A「天霧君は…?
天霧君がいないなんて、珍しい…」




駄目だ。
天霧君の事を考えている場合じゃない。

とにかくちー君たちを止めなきゃ!




A「もう!女鬼は姉様だけじゃないでしょ!」

風間「女鬼は貴重だ。
それが目の前に転がっているのに、
逃がすと思っているのか?」

A「それは、ちー運の勝手な話でしょう!」




ガキンッ!


引き抜いた大通連で、
振り下ろされてきた刀を受け止める。

力では勝てない。
そんな事は分かってる。

それでも臆する事なく、
ちー君との戦闘態勢に入った。




風間「A、
お前と手合わせをしに来たわけではない」

A「私も、
ちー君と手合わせをしてるつもりはないよ」

風間「フン。お前は
俺に勝てるとでも思っているのか?」

A「勝てないって分かってても、
何もせず傍観してるだけは嫌なの!」




何度も何度も、
刀と刀がぶつかり合う甲高い音が響き渡る。

何度目の鍔迫り合いだろうか。
ちー君と目を合わせながら時機を伺っていると、
数人が走ってくる足音が聞こえる。




沖田「Aちゃん!」

A「皆さん!………っ!?姉様!!」




沖田さんたち4人が走ってくる姿が視界に映った端に、
天霧君が姉様を抱えて、
ゆったりと歩いて屯所内から出てくる姿も見えた。




A「天霧君!」

風間「戦闘中のよそ見は、命を落とすぞ!」




キンッ!


今宵で一番高い音が鳴り、
握っていた大通連は弾き飛ばされた。

少し遠くの方まで飛ばされてしまった大通連は、
走って取りに行く間に
私自身が斬られてしまうだろう。

それなら…。




風間「ほう。柔術で俺と戦うと?」

A「柔術だって、立派な戦闘法じゃない」

天霧「A。あなたの柔術では
風間を倒す事は出来ません」

A「倒すなんて端から考えてないよ。
柔術は、他にも使い方があるんだよ!」




ちー君に向かって走り出す。

刀を構え直すちー君は、
刀を振り上げる事はせず、横に払う方を取っていた。

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 涙が…溢れて止まりません。 (2020年5月24日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月12日 14時

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