６４：吸血衝動 ページ4
沖田さんが変若水を飲んだ翌日の朝。
昨日泣きすぎたからなのか、
ズキズキと痛む頭を抱えながら庭掃除に励んでいた。
沖田「おはよう、Aちゃん」
A「沖田さん、おはようございます。
ご気分はいかがですか？」
沖田「すっごく快調だよ。
咳で起きる事もなくて、久しぶりにぐっすり眠れたぐらい」
A「それは良かったです！」
沖田さんの調子がいいなら
それに越した事はない。
だけど、もう沖田さんは人ではないんだよね…。
それだけが気になって仕方なかった。
もう、人として生きる事は出来ないんだ…。
A「吸血衝動はまだありませんか？」
沖田「今の所はないかな」
A「遠慮はせず、すぐに来てくださいね」
千鶴「沖田さん、おはようございます」
沖田「千鶴ちゃん、おはよう」
昨日、平助君が言っていた。
沖田さんは沖田さんなんだって…。
もう人ではないけれど、
沖田さんには変わりないんだ。
A「そういえば、
今日の巡察担当は一番組でしたよね？」
沖田「ん？そうだよ」
A「姉様、今日は沖田さんと一緒に行って。
巡察中に発作が起きないとは限らないし」
千鶴「そうだね。今日は沖田さんと回ります」
いつもと変わらない沖田さんの笑顔。
これで良かったんだ。
あれだけ悩んで落ち込んで、泣いた後での沖田さんの笑顔は、
私の中の迷いを全て吹き飛ばしてくれた。
沖田さんは「土方さんの所へ行ってくる」と言い残し、
背を向けて歩いて行ってしまった。
千鶴「沖田さん、元気になって良かったね」
A「ねえ、姉様。
沖田さんは鬼になりたいのかな…？」
千鶴「どうだろう…。
でも、鬼も鬼化もそんなに変わらないなら、
鬼になってしまった方が楽かもしれないね…」
姉様の言う通りだ。
見かけも何も変わらないのであれば、
鬼になってしまった方が体は楽だろう。
今度、沖田さんに聞いてみよう。
姉様は朝餉の準備をしてくると言って、
炊事場に向かって行った。
私は庭掃除の続きをしなきゃ！
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 涙が…溢れて止まりません。 (2020年5月24日 15時) (
レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2019年9月12日 14時
