【薄桜鬼】純血を巡る者４ (ページ26)

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７４：共闘ページ26

すかさず浪士たちに
見つからないよう廊下に出して、
姉様の背中を押した。

A「姉様、今すぐ逃げて」

千鶴「でも、Aは…？」

A「私は大丈夫だから、早く！」

千鶴「……分かった…っ！」

姉様が駆けて行くのを見送り、ほっとした時。

浪士の一人が私の腕を掴んだ。

浪４「ずっと気になっていたんだ。
お前は見慣れない地方だったからな」

A「いややわぁ。そないな乱暴、
うちは好きやあらしまへんえ！」

私の腕を掴んでいる手首を、
もう片方の腕で掴み捻るように動かせば、
酔っぱらっている浪士は畳の上に倒れた。

ほんっと！その手で触らないで欲しい！

満面の笑みで斎藤さんを見つめる。

A「そこの旦はん。
お手伝いよろしおすやろか？」

斎藤「あ、ああ…」

その後、騒ぎを聞きつけて浪士が増えたが、
巡察を終えてやって来た
原田さんや永倉さん、平助君も
別の場所で戦ってくれた。

私たちがいる部屋に来た
十数人の浪士を何とか蹴散らし、
やっと部屋の中が静かになった。

A「あーあ…。綺麗なお着物が…」

私が柔術で負かしたり、
斎藤さんが浪士から奪った刀で峰打ちをしたりとした時、
浪士の血が少しだけお着物に飛んで付いてしまった。

これ、弁償とかにならないよね…？

斎藤「あんた、本当にAなのか？」

A「え？そうですよ？」

斎藤「しかし、先ほどの言葉は…」

A「………驚かはりました？
君菊姉さんに教えてもろたんどす。
習得するのに、えらい怒られましたんえ」

フフッと笑いながら口元を袖口で隠した。