検索窓
今日:55 hit、昨日:22 hit、合計:85,734 hit

**** ページ25

千鶴「あのっ!お銚子が…っ、
お銚子が空に。
お代わり持ってきますね」




えぇ?!お座敷出てっちゃうの?!
姉様、何を考えてるのよ!?


すると、姉様が相手をしていた浪士も席を立つ。

嫌な予感しかしない…。




浪2「おい、待たぬか」

千鶴「こ、来ないでください!」




嫌な予感は的中。

しかし、それを私が追いかけるように出て行けば、
それこそ不自然だ。

廊下の方へ耳を傾け、お三味線を弾き続けた。




??「見ての通り、忍者だ!」




忍者?
そんな人いたかな…?


やっとの事でイロハ譜を弾き終え、
お三味線を静かに置いて菊月さんの所へと寄る。




A「君菊姉さん、すんまへん。
おしもへ…、よろしおすやろか?」

菊月「ほんまはあかんよ。
しゃあないから行き」




花街の言葉はここに来た初日に
菊月さんに教えてもらった。

花街の言葉を話さない芸妓が二人もいては、
怪しまれてしまうと言われたからだ。


私と菊月さんは目線で示し合わせ、
後は菊月さんにお任せして座敷を出る。

廊下に出れば姉様の姿も、
忍者と名乗っていた人の姿もなかった。




A「もう!何処へ行ったの?!」




角屋さんの二階を駆けずり回って探していた時。




??「山崎流…。忍法、畳返し!」




騒がしい角屋さんの中で、
小さいけれど声がした。


畳返しって何!?
本当に忍者!?


声が聞こえた方へと足早に向かう。

途中で出会うお客さんには
小さくお辞儀をしながら。

そこへ辿り着いた時には、
畳の下で伸びた浪士が一人いただけだった。




A「遅かった…」




すぐに踵を翻し、二階を隈なく探した。
……だけど見つからない。


もしかして、一階?


思い立ったら動かずにはいられない。
走って階段を駆け下りる。




斎藤「伝えなければならない事がある…」




ん?斎藤さんの声っぽいのが聞こえたような…。

あれ?あの角から出てきた浪士は…っ、
私たちのお座敷にいた人たちだ!


動きにくい芸妓姿のまま、
できるだけ早く走った。




浪3「てめえ…っ、一度ならず二度までも…っ!」

A「鶴華ちゃん!君菊姉さんが呼んではるよ」

斎藤「……A…?」

A「はよぉ、こっちへ来ておくれやす」

浪2「お前は、さっきの地方じゃねえか」




私の目の前の浪士に
ニコッと無言で笑顔を向ける。

浪士たちの注目が集まっている間に
斎藤さんは姉様の腕を引き、
私の方へ投げるように渡してくれた。

74:共闘→←73:作戦開始



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
62人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

斎藤ようこちゃん(プロフ) - 涙が…溢れて止まりません。 (2020年5月24日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月12日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。