【薄桜鬼】純血を巡る者４ (ページ23)

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A「私なら自分の身は守れますし、
姉様一人ぐらいなら、
鬼の力を使わずとも何とかなります」

土方「しかし…」

山崎「A君が一緒ならいいのではないですか？
今は急を要する話です。
雪村君やA君の内偵が最善だと思います」

土方さんは女二人。
っていうのが引っかかってるのかな？

それでも姉様一人で行かせるよりはいいと思うんだけど…。

沖田「芸妓姿で、
浪士たちの話に聞き耳を立てるぐらいなら、
千鶴ちゃんにだって出来るよ。
そこにAちゃんがいるなら、
千鶴ちゃんの監視役もしてくれるよ。ねぇ？」

A「監視役、買って出ますよ」

千鶴「私、子供じゃないんですけど…」

斎藤「副長。俺と山崎が角屋に詰め、
二人を護衛します」

山崎「お任せを」

斎藤さんの提案に、
土方さんはため息を吐いて了承した。

―――――回想終了―――――

そんなこんなで三日目の今日。

昨夜まで浪士たちは来ず、
着替えをして待機をするに留まっていたのだけれど、
今日は違うようだ。

菊月「千鶴様、A様。
どうやら起こしになったようです」

A「ありがとうございます。姉様、行こう」

菊月「あの、一つご提案が…」

A「どうしました？」

どうやら、いつもより浪士の数が多いらしく、
今のままでは少し危ないかもしれないと。

それなら監視役である私を
少し目立った姿にして
目を惹きつけた方がいいのではないか。

その間に姉様が聞き耳を立てながら
相手をした方がいいと。

A「目立つって……、どうすれば…」

菊月「A様は髪だけを
白くする事が出来ますよね？」

A「え？出来ますけど…」

菊月「お三味線は？」

A「小さい頃からやっていましたから、出来ます」

それならと菊月さんは
真剣に作戦を話し始めた。

私の髪を白くし、
芸妓としてではなく地方(じかた)としてお座敷に上がる。

地方と芸妓では同じ室内でも少し離れているし、
浪士たちの目は姉様から必然的に離れる。

本来なら、地方は芸妓の格好はしないが、
目立つためにも芸妓の姿で地方をした方がいいらしい。

それなら姉様の身の安全は
まだ守られるかもしれない。

それを快諾し、
綺麗に結ってもらった髪だけど、
解いて白髪に変える。

すぐまた綺麗に結い直してもらい、
菊月さんからお三味線とイロハ譜を借りて、
私たちはお座敷へ向かった。