【薄桜鬼】純血を巡る者４ (ページ22)

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７２：事の発端ページ22

沖田さんの吸血衝動が止まり
鬼へと変化した事で、
私の付添巡察が終わってから数か月。

慶応２年冬。

庭掃除をするのも、
水仕事をするのも辛くなったこの季節。

私は初めての"お仕事"をする事になった。

そのお仕事をするきっかけになったのは三日前。
姉様が沖田さん率いる一番組と
巡察に行っていた時の事。

途中で出会ったお千様が姉様を呼び止め、
見慣れない浪士たちが
新選組の屯所襲撃を企てているという情報をくれたのだ。

―――――回想―――――

夕餉が終わり、
炊事場で後片付けをしている時。

土方さんが現れ、
片づけが終わったら広間に来るよう伝えに来た。

何かあったのかな？
それとも私、何かしたのかな…？

片付けている間、
最近の自分の行動を振り返った。

お暇を貰った時に土方さんのお手伝いをした事から、
時たま土方さんの書類整理のお手伝いを
するようになっていた。

書簡の宛名書きから始まり、
今では土方さんの部屋に私専用の文机まで置いて、
報告書の纏めまで任されるようになっている。

もしかして、
報告書の解釈が間違っていたのかな…？

永倉さんや沖田さんの報告書は、
何が書かれているのか分からない事があるからなぁ…。

手早く片付けを済ませ、広間へと急いだ。

その部屋には既に幹部隊士さんと姉様が揃っていて、
私が来るまで待っていたようだった。

A「遅くなりました」

土方「来たな。早速だが総司、話って何だ？」

沖田「今日の巡察中に、
千鶴ちゃんのお団子仲間だって言う女の子からの情報。
最近、角屋で不逞浪士が屯所襲撃を企ててるって。
そこで僕は、千鶴ちゃんに内偵をしてもらうのはどうかな？
って思ったんだけど、どう？」

姉様が島原で、内偵…？

藤堂「駄目だって！
千鶴が島原で内偵するなんて、危険すぎるって！」

千鶴「私、皆さんのお役に立ちたいんです！」

姉様は私と違って剣技が使えるわけではないし、
いくら自分の身は自分で守ると言っても、
護身術程度の剣技では
島原にいる不逞浪士相手ではどうしようもない。

私も、姉様が内定をするのは反対だな…。

土方「俺も反対だ。
万が一の事があったらどうする」

山南「では、何か考えがあるのですか？」

土方「監察方を出すとか、他に方法はあるだろう」

監察方……。

監察方……？

A「それなら、私も行きましょうか？」

原田「Aが？」