【薄桜鬼】純血を巡る者４ (ページ20)

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菊月「皆はん！おまっと…」

二人「いーやーだー！！！！！」

菊月「……ハァ。
まだ抵抗しはりますか！
いい加減、腹を括りよし！！」

禿さんに引っ張られているが、
必死に抵抗した。

これは娘姿じゃない！
芸妓姿だ！

兄様と似てるかの確認なら、
これは必要ないはずだぁ！！！

菊月「ええから！そないな別嬪さん、
お披露目せんとどないしますの！」

千鶴「これは菊…」

菊月「君菊どす」

千鶴「君菊さんが無理やり！」

菊月「何を仰ってますのんや。
そないな事、関係あらしまへん！」

A「娘姿じゃないのなら、意味はありませーん！」

菊月「もう！ほんまに強情なお嬢はんらやわ！
はよ、さっさと入りよし！」

菊月さんに腕を思いっきり引っ張られ、
私たち二人は倒れこむように部屋へと入れられた。

ああ…、恥ずかしすぎる…。
何？この羞恥の刻は…。

何の罰？
私が何したっていうのよ…。

沖田「へぇ、一瞬誰か分からなかったよ」

斎藤「で？どうなんだ、左之」

原田「ん？うーん…、どうかな？
あんまり二人が綺麗すぎて、分かんねえよ」

ほら！
分からないなら意味ないじゃない！

私たちが着替えた意味は皆無で、
菊月さんの玩具にされただけだった。

藤堂「確かに！千鶴もAも
可愛いし綺麗だよな！」

永倉「おう！なかなかの別嬪さんたちだ！」

沖田「あれ？新八さん、見惚れてる？」

永倉「馬鹿野郎、照れるじゃねえか」

千鶴「もう！やめてください！」

A「ちょ！姉様？！置いてかないでぇ！！」

永倉さんの言葉を聞いた姉様は、
奥の部屋へと姿を消してしまった。

この場に残されたのは私一人…。

必然的に視線は私に向けられてしまう。

A「み、見ないで、頂けますか…」

沖田「何で？そんなに綺麗なのに」

A「っ！き、着替えます！」

菊月「それは許しまへんえ。
それにうちがいてへんのに、どうやって着替えはるの？」

A「う……っ！」

この人は鬼の中の鬼だ！！
……いや、鬼で間違いないんだけど…。

私が大人しくなったのをいい事に、
菊月さんはとんでもない事を言い出した。

菊月「うちはこれから
他のお座敷へ行かなあきまへんのどす。
Aはん。ここのお座敷はお任せするさかい、
おたのもうします」

A「は？！む、無理です！何をっ」

菊月「ほな、おたのもうしましたえ」

菊月さんはフフフッと笑いながら、
部屋から姿を消してしまった。