【薄桜鬼】純血を巡る者４ (ページ13)

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この答えを聞き、
涼森のおじさんと威室は
寂しそうな、悔しそうな顔で戻って行った。

襲名すればこうなるとは思っていたけれど、
まさか襲名当日からだなんて…。

っていうか、
まずはここにいる人たちの事を気にしなさいよ！

原田「いいのか？あんなきっぱり断っちまって」

A「私、あの人が苦手なんですよね…」

土方「お前が苦手とか言うなんて、
珍しいじゃねえか」

A「あの自信満々っていうか…、
勘違いをし過ぎるっていうか…。駄目なんですよね…」

原田「案外いい男に見えたけどな」

確かに端正な顔立ちをしてるとは思う。
でも性格が最悪だ…。

誰が好き好んで
あんなのと夫婦(めおと)になりたいと思うのやら…。

A「原田さんは
私に祝言を挙げて欲しいんですか？」

原田「い、いや！そんな事は言ってねえよ」

A「祝言は本人同士の意思でしょう？
何で人に決められなければいけないのでしょうね」

土方「間違いねえな」

涼森のおじさんを皮切りにしたのか、
当主様方が続々と部屋へ入ってきては
祝言の話をしてくる。

全く…。
鬱陶しいなぁ…。

A「当主様方！
祝言についての心配は一切ご無用！
伴侶を自分で見つけます故、口を挟む事は許しません！」

土方「ククッ、はっきり言いやがる」

土方さんは面白そうに喉で笑う。

……全く面白くないんですけど…。

当主様方は私の言葉に肩を落とし、
部屋へと戻って行った。

A「あの人たちが連れて来た人と
祝言を挙げるぐらいなら、
沖田さんと挙げた方がマシです」

沖田「ん？僕と祝言を挙げたいの？」

原田「ただの例え話だろうが」

A「今は誰とも
祝言を挙げるつもりはありません」

まだまだここでやる事があるのに、
祝言なんて挙げるわけがない。

だって約束したもん。
新選組を最後まで見届けるって。

沖田「えぇ？
僕、Aちゃんとなら挙げてもいいけどなぁ」

A「いや、良くないですから」

斎藤「総司、冗談は休み休み言え」

沖田「何で一君が怒ってるの？」

斎藤「怒ってなどいない」

怒ってるの？
呆れてるようにしか見えないけど…。