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切っ先で兄様の面の紐を切り、
次に姉様の面の紐を切った。

支えを亡くした面は、ゴトッと音を立てて落ちる。




藤堂「千鶴!」

原田/永倉「シーッ!!」

藤堂「ご、ごめん…」




向かいの部屋で叫ぶ平助君の声に
笑ってしまいそうになったけど、
それを抑えて自分の面の紐を解いた。

抑えていた面を掴み、顔から外す。




沖田「へぇ、化けるもんだね」

永倉「ほぉ、綺麗じゃねえか」

藤堂「千鶴だって可愛いじゃん!」




聞こえてます!
めちゃくちゃ聞こえてますよ!

恥ずかしい…。


面を外した私たちは、もう一度深く頭を下げる。

私だけ頭をあげ、兄様と姉様に目線を向ければ、
二人とも私に目線で合図する。

それを見て小さく深呼吸をしてから
しっかりと当主様方を見た。




A「雪村家当主・東国頭領よりご報告がございます。
前頭領、雪村薫重様の御意思に従い、
雪村家は人との関わりを解禁いたします」




その言葉に当主様方がザワザワと騒がしくなる。




南雲「頭領様のお言葉の最中です。
お静かに願います」

A「これは権力者と結託をするという意味ではない。
雪村薫重様より、我ら鬼を悪しき事に利用せず、
共存できる者を見極めよとの御通達を受けている。
異論は認めない。
異論唱える者、雪村顔寿様の御意思を侮辱する者とみなす」




なるべく凛とした声ではっきりと言えば、
騒がしかった当主様方は完全に静かになった。


父様の意思。
誰にも文句は言わせない。




南雲「これにて襲名の儀を締めさせて頂きます。
本日はお忙しい中、
ご出席頂きました事を心より感謝申し上げます」

千鶴「これよりお食事の準備に取り掛からせて頂きます。
少々お待ちください」




何とか襲名は終わり、
当主様方は拍手で歓迎してくれる。

やっと、やっとだ…。
これで私の立場が確立した。

67:祝言?!→←****



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 涙が…溢れて止まりません。 (2020年5月24日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月12日 14時

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