【薄桜鬼】純血を巡る者３ (ページ10)

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４６：正直な気持ちページ10

ふと目が覚めた私は
障子の方へ目線を向ける。

文机で斎藤さんが寝てる。

私が布団を占領しちゃってるから、
斎藤さんだって疲れてるよね…。

それにても、まだ夜だ。

………ん？いつの夜だろう？

さっき斎藤さんと話をしていた時もよるだったけど、
それから一刻程しか経ってないのかな？

短い時間起きては寝てを繰り返しているうちに、
体内時計は完全に狂ってしまったようだ。

少し体を動かせば怠さがほんの少しだけ抜けていて、
今なら立ち上がれそうな予感がする。

体を起こし、何とか四つん這いの状態まで
持って行く事に成功した。

おっ？立ち上がれるのでは？！

必死に足に力を入れれば、
フラフラとはしているけど立つ事が出来た。

やった！ここまで体力が回復した！

なんて感動していた時。
急に足の力が抜けて膝が崩れる。

ああ、やっぱりまだ駄目なのかな……っ？！

ドンッ！

A「い…っ、たぁ…」

倒れるかと思ったのだけれど、前にある壁に額をぶつけた。
こんな夜に盛大な音を立ててしまった…。

脚に力はもう入らず、
その場で座り込んでジンジンとする額を押さえた。

さすがにこれは痛い。

すると急にフワッと体が持ち上がった感覚がした。

斎藤「大丈夫か？」

A「す、すすすすみません！」

斎藤「もう少し声量を抑えてくれぬか？」

A「す、すみません…」

こんな横抱きで抱き上げられるなんて思ってなかったから！
寧ろ、起こしてしまって申し訳ございません！！

私を抱きかかえ、
先ほどまで寝ていた布団へと降ろして座らせてくれた。

もう、迷惑ばっかり掛けてるよ…。

斎藤「無理はするな」

A「大丈夫です。立てましたから何とかなります」

斎藤「甘えを覚えろと言ったはずだが？」

あれ？何だか怒ってらっしゃる？

怒らせたくてした訳ではないんだけど、
まさかこんなに苛つかせてしまうとは思っていなかった。

A「血を流し過ぎてしまいまして、
こんなに体力が戻らないのは想定外でした」

斎藤「血を流し過ぎたというと？」

A「本来、流す血はもっと少なくていいんです」

斎藤「では、何故…？」

A「ちょっと心配事があって…。
余分を作っておきたかったんです」

変若水なんて使わない方がいいに決まってる。
寧ろ使いたくなんてない。

それでも、それを使わざるを得ない状況なら、
使うしかないのだから…。