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立ち上がり、
沖田さんの目の前に座る。
A「それが、沖田さんが決めた事なんですね」
沖田「うん。僕はどんな事になろうと
絶対に生きる。
生きて生きて、そして、最期まで戦うよ」
そんな優しい、柔らかい顔で
笑わないでください…。
私の頬に一筋の涙が流れた。
だけどすぐにそれを拭いて、
土方さんへ目線を向ける。
静かに頷く姿を見て、
懐に入れていた変若水を取り出し、
沖田さんの目の前に置いた。
A「吸血衝動は辛いと思います。
その時はいつでも来てください。
私は、沖田さんへの協力は惜しみません」
原田「ちょ、ちょっと待てよ！
それを飲んだら…っ！
どういう事か説明してくれ！」
沖田さんに目線を向けたまま、
昼間に沖田さんや土方さんに説明をした事を話した。
皆さん、静かに聞いてくれている。
その間も沖田さんの表情は変わらない。
決意は、固い物なんですね…。
藤堂「それでも、総司は総司なんだよな？」
沖田さんは、沖田さん…？
その言葉にはっとした。
ああ、そうだった。
何でそれを思わなかったんだろう…。
A「そうですね。平助君の言う通りです。
沖田さんは沖田さんです。
鬼化したり鬼に変化したとしても、
悪戯と近藤さんが大好きな沖田さんです」
笑顔を作って平助君を見た。
平助君は納得したのか、
私に向けていた視線を沖田さんへ移動させる。
藤堂「総司の病気が治るなら…。
総司が元気に生きてくれるなら、俺は賛成する！」
そうですね…。
元気に生きてくれるなら…。
人としてではなく、
鬼として生きる事になってしまうけれど…。
沖田さんは沖田さんですから。
そんな事を考えている間に
沖田さんは何の迷いもなく置いた変若水を手に取り、
一気に飲み干した。
沖田「うっ…、か、は…っ」
飲み干した沖田さんの紙は白髪へ変化し、
目は血のように赤くなった。
少し苦しんだ後、
落ち着いたようで深く息を吸う。
A「どうですか？」
沖田「……うん。呼吸が、すっごく楽だよ」
A「これから発作が一日に数度
起こると思います。
我慢するという事は死ぬより辛い事ですから、
すぐに来てください」
千鶴「私も大丈夫ですから！」
A「そういう事です。
沖田さん、遠慮なく言ってくださいね」
空になった小瓶を懐へ戻し、
自分の膳を持って食事場を後にした。
これで良かったんだ…。
これで、沖田さんは生きられるんだから…。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 涙が溢れて。 (2020年5月23日 22時) (
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作者名：まほろ | 作成日時：2019年9月9日 14時
