【薄桜鬼】純血を巡る者３ (ページ42)

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A「そういえば昔、
親殺しがあった事を知っていますか？」

南雲「親殺し？」

A「昔、雪村家の分家だった
勝道夫婦が息子に殺されたっていう…」

南雲「ま、待って！今、勝道って言った？！」

A「ん？はい…」

南雲「綱道さんの父親の名前も勝道なんだ！」

A「それ、本当なの？！」

絡まった糸が解けていく。
そして、それに絡まっていた
切れていた糸も繋がっていく…。

雪村綱道…。
本当に危険視しなければいけない存在かもしれない…。

南雲「俺はもう少し綱道さんについて調べてみるよ。
雪村家を壊滅に追い込もうとするなんて許せない…」

A「ごめんなさい…。
私が動ければいいんだけど…」

南雲「気にするなよ。
俺はお前達の為に動けるなら嬉しい事だよ。
また追って文を送るから、A、
それまでは綱道さんについては調べるな。
何処で狙っているか分からないからね」

A「はい。
でも、姉様はずっと綱道さんの事を探してる…。
大丈夫かな…？」

南雲「もっと確信が持てるようになるで
千鶴には黙っていよう。
いくら養父でも千鶴にとっては父親だからね」

A「うん…。
姉様の悲しむ顔は、もう見たくない…」

そう二人で話し合ってから兄様とは別れた。
また届く兄様からの文を心待ちにして…。

雪村綱道…。
何を考えているのだろうか…。

A「お待たせしました。
帰りましょうか」

藤堂「おう！
浮かない顔してるけど、大丈夫か？」

A「はい、大丈夫ですよ。
私は、大丈夫です…」

藤堂「何かあるなら言えよ。
聞く事ぐらいしかできねえかもしれないけど」

A「ありがとうございます。
時期が来たらお話しますね」

確信が持てない今、
まだ皆さんにお話しするわけにはいかない。

皆さんも忙しいもん。
変な心配をかけるわけにはいかない。

そうして私たちは帰路へと着いた。