【薄桜鬼】純血を巡る者３ (ページ34)

今日:23 hit、昨日:19 hit、合計:99,498 hit

＊＊＊＊ページ34

そんなの考えなくても分かる。
匡ちゃんの銃の方が有利に決まっている。

A「匡ちゃん！何で？何でなの？！」

不知「だから、状況が変わっちまったんだよ」

原田「A、ちょっと退いてな」

A「原田さん…」

匡ちゃんに聞いても駄目だ…。
それに匡ちゃんは簡単に発砲なんてしない。

それなら、ちー君の所へ行こう。
そして、ちゃんと理由を聞かなきゃ！

原田さんの前から退き、ちー君の前に飛び降りた。

A「ちー君…」

風間「話は後だ。
まずはこちらの用を済まさせてもらう」

その時、後ろからチャキッという音が聞こえた。
振り向けば姉様が小通連の鯉口を切っていたのだ。

だけど、それを山崎さんが止めてくれる。

山崎「その必要はない。
君はこのまま俺と屯所へ戻れ」

風間「…っ！武士気取りの、田舎者がぁ！」

刀を抜いて振り上げるちー君に、
私は大通連を構え直して受け止める構えをした。

ガキンッ！

うわ…っ、さすがちー君…。
一撃が重いよ…。

風間「A、何故、邪魔をする」

A「ちー君こそ、何でこんな事をするの？」

風間「本来ならばお前も連れ帰りたい所を、
千鶴だけでいいと言っているのだ」

A「どういう事なのか、
ちゃんとした理由を…、言ってよ！！」

受け止めたちー君の刀を払うように、
大通連を力いっぱい横に動かした。

そんな事に怯むちー君ではない。

二撃、三撃と、どんどん攻撃が繰り出されるけど、
それを受け止めて払いのけていく。

そこに援軍が来たのか人が走ってくるのが見え、
ちー君に一瞬だけ隙が出来た。

それを見逃す私ではない。

防御ばかりだった私が、ちー君に向けて刀を振るった。
少しだけ前髪が切れてしまっただけだけど、
ちー君は満足そうに笑う。

天霧「これ以上の戦いは無意味です。
長引いて興が乗っても困るでしょう」

風間「ふん。お前との手合わせ、面白かったぞ」

A「面白くてやってるんじゃないよ！」

ちー君は飛び上がり、
匡ちゃんがいる塀へと戻って行った。

原田さんと戦っていた匡ちゃんも、
斎藤さんと戦っていた天霧君も、
ちー君が戻った事で戦闘を止めた。

A「ちー君！」

風間「A、言ったはずだ。
見かねた時は迎えに来ると」

A「見かねられるような事はしてない！」

天霧「あなた、変若水を作りましたね」

な、何でそれを…？
今ここには、原田さんもいるのに…。