【薄桜鬼】純血を巡る者３ (ページ31)

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近藤「無論構わないとも！
雪村君も新選組の一員と言っても
過言ではない。
良かったら、是非参加してくれ！」

千鶴「でも…」

沖田「まっ、身の心配はないよ。
将軍を狙う不届きな輩はそうはいないから」

藤堂「行ってみるのもいいんじゃねえの？」

千鶴「……はい！お役に立てる事があるなら、
お手伝いさせてください！」

姉様が行くなら、私は沖田さんたちと屯所で待機しようかな。
一緒に行くわけにはいかないもんね。

それなら私がここにいる必要はない。
部屋の方へ戻ろう。

そう思って立ち上がり、静かにその場を後にした。

部屋の前まで来たのだが入る気になれず、
縁側に腰掛けて茜色の空を見上げていた。

先程の大広間から隊士さんたちが
ゾロゾロと出て行く音が聞こえてくる。

話が終わって、これから二条城へ行くんだろうな…。

土方「ったく。急にいなくなるんじゃねえよ」

振り向けば、
浅葱色の羽織を着た土方さんと斎藤さんがいた。

そりゃ、いなくなりますよ。
隊士さんたちに見つかるわけにはいかないですから。

斎藤「あんたは行かないのか？」

A「姉様が行くなら、私は行きませんよ」

土方「お前には監察方の姿で来てもらう」

A「強制ですか」

強引な土方さんに
思わずフフッと笑ってしまった。

まあ、監察方の姿なら見つかる事もないだろうし、
それならいいかな。

A「分かりました。
では、前と同じで山崎さんと行きますね」

土方「山崎には俺から伝えておく。
さっさと準備しろよ」

A「はい」

返事を聞いてから土方さんは
踵を翻して外に向かって歩いて行ってしまった。

監察方の姿か…。
あの着物、動きやすいから好きだけどね。

準備をしようと立ち上がると、
斎藤さんはその場に立ったままだった。

A「……？
斎藤さんは行かなくていいんですか？」

斎藤「何故あんたは雪村に遠慮をする」

A「遠慮なんてしていませんよ？
同じ顔がいてはいけないと思っているだけです」

斎藤さんは何を気にしていらっしゃるんだろう？

特段、姉様に遠慮なんてしていない。
ただ、姉様の意見を尊重しているだけ。

A「準備しますね。
斎藤さんも早く行かないと、遅れてしまいますよ」

斎藤「ああ…」

一言だけの返事。
素っ気なく聞こえるけど、
その裏には疑問が残ってしまっている。

こういう事に気付かない性格になりたい。
気になっちゃうじゃん…。