【薄桜鬼】純血を巡る者３ (ページ19)

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変若水を小瓶に移し替える事はしたいな…。
桶に入れたまま
置いておくわけにはいかないし。

あとは…、何もする事ないな。

斎藤「風邪を引くぞ」

今日はやたらと後ろから話しかけられる日だ。
縁側に座ってる私がいけないんだろうけど。

体を起こして振り向けば、稽古着姿の斎藤さんだった。

うわっ！新鮮！
稽古着姿の斎藤さんって、あまり見た事なかったな。

A「お疲れ様です。
斎藤さんこそ、早く着替えないと風邪引きますよ」

自然と溢れる笑顔は作り物ではない。
昨日までは笑う事すら鬱陶しいほどに怠かったのに、
今は自然と出て来ている。

A「ご迷惑をお掛けしました。
今日から自分の部屋へ戻ります」

斎藤「……分かった。
それと、迷惑とは思っていない。何度言わせるんだ」

A「すみません」

フフッと笑えば、斎藤さんは私から目線が外れてしまった。

あれ？何かおかしいかな？
寝ぐせ…、あり得るな…。

柱に手を付きながらフラフラと立ち上がった。
それを見たからなのか、斎藤さんが手を貸してくれる。

A「ありがとうございます」

斎藤「問題ない」

A「毎日大変ですね」

斎藤「俺がやりたくてやっている。
汗臭いままですまない」

A「え？そうですか？
斎藤さんは、いつもいい匂いがしますよ」

汗臭いなんて思った事もない。
もちろん今もそうだ。

いつでも斎藤さんはいい匂いがして安心感をくれる。

そういえば姉様もいい匂いがするな。
でも姉様と斎藤さんとでは違う匂い。

やっぱり男の人と女の人とでは、匂いが違うのかな？

三日ぶりに開けた自室は、
あの時の凄惨な部屋は見る影もなく綺麗にされていた。

A「ここでいいです」

斎藤「暇は昨日までだったはずだろう。大丈夫なのか？」

A「先ほど土方さんに許可は頂きました」

斎藤「それならゆっくり休め。布団はどうする？」

A「大丈夫です。
あまり寝てばかりも良くないと思いますので。
ありがとうございます」

そう言うと、斎藤さんは部屋から出て行った。