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土方「別に構わねえが、まだ辛いか？」
A「体はもういいんですが、足に上手く力が入らなくて。
このままでは迷惑しか掛けませんから」
土方「あんま無理すんなよ」
A「はい。ありがとうございます」
私の頭を少しだけ撫でて、部屋の方へと去って行った。
私がここにいるって教えたのは、
きっと山崎さんだな。
それにしても、子の羽織が一枚あるだけで物凄く暖かい。
しばらく目を閉じて空気に触れていると、
柱とは逆側の体に暖かい感触がする。
目を開けて隣を見れば、寄り添うように座る姉様がいた。
千鶴「ごめん、起こしちゃった？」
A「……寝てた？」
千鶴「寝てたみたいだよ」
A「そっか…。姉様はどうしたの？」
千鶴「お庭のお掃除してたらAが見えたから」
姉様の隣には竹箒が立てかけてある。
庭掃除はいつもなら私の担当。
姉様がやってくれてたんだ…。
柱から頭を離し、
今度は姉様に凭れ掛かるように頭を動かした。
その頭に姉様の頭が乗る。
姉様の匂い。
すごく、いい匂いがする…。
千鶴「動けるようになったんだね」
A「心配かけてごめんなさい」
千鶴「いつ見に行っても寝てるんだもん。
経過は斎藤さんから聞いてたし、いいけどね」
フフッと笑う姉様は可愛いな…。
やっぱり姉様は姉様で、いつもと変わらない。
私の大好きな姉様…。
沖田「二人で何してるの？」
千鶴「Aが寝ていたので、私も柱になってみました」
沖田「Aちゃん、今日から戻ってくるんじゃなかったの？」
A「もう一日お暇を頂きました。
ちょっと体がうまく動かないので」
千鶴「ゆっくり休んで。こっちの事は気にしなくていいから」
体調が優れない事を詳しく聞かない沖田さんも優しいな。
沖田「さて、Aちゃんがサボりなら、千鶴ちゃん。
そろそろ朝餉の準備しに行こうか」
A「さ、サボっ…！す、すみません…」
まさかサボりだと言われるとは思わなかった。
確かに変若水を作るっていうのは私の用事だし、
それで体が動かなくなったのは私のせいだけど…。
サボリ、ではないと思いたい！
沖田「あははっ！嘘だよ。ちゃんと休むんだよ」
千鶴「また様子見に来るね」
A「うん、ありがとう」
二人の背中を見送り、また一人になった私は柱に凭れ掛かる。
お暇貰えたし、何しようかな…。
まあ何をするにも、この体では何も出来ないんだけど。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 涙が溢れて。 (2020年5月23日 22時) (
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作者名：まほろ | 作成日時：2019年9月9日 14時
