【薄桜鬼】純血を巡る者２ (ページ9)

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２４：推測＜斎藤一＞ページ9

Aが休憩をしに
部屋を出て行った。

あの娘の事だ。
休憩と言いながらも
頭では思考を巡らせているのだろうな。

土方「なあ、斎藤」

斎藤「はい」

土方「Aは、どんだけ重いもんを
背負って生きてんだろうな」

斎藤「と、言いますと？」

土方「世間様からすりゃ
１７なんてまだ娘じゃねえか。
Aは小さい頃から
将来は鬼を束ねる頭領としての重荷を
背負わされてやがる。
２０になったらって言ってたが
両親が亡くなった今、１７で頭領だ。
俺が１７の頃なんざ、まだまだ悪ガキだったぞ」

副長の言う事はよく分かる。
今やAは雪村家を、
東国の鬼を束ねる頭領だ。

その重責は鬼を知らない俺にだって
多少は想像が出来てしまう。

土方「今まではAの両親がいたから、
守っていたから良かったが…。
その盾が無くなった今、
昨夜みたいな奴らに狙われる可能性だって
あるって事だろ？
あいつは根が優しいからな。
戦いを好まねえだろう。
鬼になり切れない部分もあるだろうよ…」

斎藤「分かる気がします」

土方「あんな小娘が
俺たちを守るって宣言してやがったのを思うと、
Aは自分を犠牲にしてまでも
実行しやがるだろうな」

姉である雪村には
鬼であることを隠していた。

出来るなら隠し通したかったのだろうが、
その努力も散ってしまった。

あの時のAは
雪村に自分が背負う重荷を
背負わせたくなったのだと、今になれば分かる。

土方「それにしても遅えな。
ちょっと見てきてやってくれ」

斎藤「承知しました」

土方さんに言われて部屋を出た。