【薄桜鬼】純血を巡る者２ (ページ8)

今日:21 hit、昨日:31 hit、合計:119,222 hit

＊＊＊＊ページ8

何故まがい物を作ったのか。
変若水ではなく、
まがい物を作った理由…。

もしかして、変若水を作れないから
まがい物を作った？

雪村家なのに変若水が作れないって
どういう事なんだろう？

いや、もしかすると
大量生産するためにまがい物を作った。
と考えるのが妥当なのかな？

それにしても、まがい物の作り方を
知っている事自体がおかしい。

村を出された者が載る除名本に
雪村綱道なんて名前はなかったはずだ。

もしあったら姉様が預けられる時に
父様たちが気づかないはずがない。

じゃあ、村から出されていないって事…？

土方「大丈夫か？」

A「……頭の中が焼き切れそうです」

土方「少し休むか」

A「そうですね…。
少し外の空気を吸ってきます」

立ち上がり障子を開けて外へ出た。
冷たい空気に包まれて、
焼き切れそうになっていた頭を冷やしてくれる。

あの鬼が言っていた

"壊滅を望んでいた物たちがいる"

とは、どういう事だろう？
雪村家に恨みがある？
でも恨みなんて…………ん？

そういえば昔に鬼殺しがあったっけ。
殺された鬼は雪村家の村に住んでいた……、
えっと、誰だっけ……。

原因は……、えーっと…………。
まあ、今はいいか。

この犯人って確か子供じゃなかったかな？

その子供は捕縛されて、拷問を受けて…。
追放ではなく処刑が決まったけど
問題が起きて……。

あれ？その後は…？

あの書物を読んだのは小さい頃だったから
鮮明に思い出す事が出来ない。

ああもう！
もっと記憶力が良かったらいいのに！

壁に背を付けて、
その背中を滑らせるように廊下に座り込んだ。
自分の記憶が曖昧過ぎて
もどかしさを覚える。

もどかし過ぎて
頭を乱暴に掻いたから乱れちゃったよ…。

仕方なく結い紐を解いて髪を下した。
手櫛で髪を整えながら
結い紐の先に付けている勾玉を視界に入れる。

書物さえ残っていれば調べられるのに。
全部…、全部焼けちゃったよ…。

今の私に
その事実を知る術はない。