【薄桜鬼】純血を巡る者２ (ページ7)

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二人の顔を見れば
額から脂汗を流していた。

A「そこでお聞きしたいのですが、
何故、新選組はまがい物を作れるのですか？
私自身もまがい物については
書物で知っただけです。
しかも、その書物は雪村家が所持していました。
何処で知ったんですか？」

土方「俺たちの変若水を
最初に作ったのは綱道さんだ」

A「綱道さん……って、
姉様の養父ですか？！」

土方「俺たちが幕命を受けた時、
その変若水を持ってきたのが綱道さんだった。
その綱道さんが山南さんへ教えたんだ。
今、この新選組で変若水を作れるのは
山南さんだけだ」

まがい物を作り出したのは雪村綱道…。
それを受け継がされたのは山南さん…。

いや、山南さんが鬼たちに飲ませたとは
考えづらい。
だって山南さんは鬼との接点がないもん…。

という事は、鬼たちに飲ませたのは雪村綱道…？

あれ？待てよ。
綱道さんは分家だって父様は言ってた。
いくら分家でも、雪村家に姉様がいたら
村から出す意味がないんじゃないかって
言い合いをしたっけ…。

その時に父様は…。

A「人の世で暮らす分家だから。って…」

斎藤「何の話だ」

A「姉様は能力血がない事で
次期頭領の座から降ろされ、
哀れみ蔑まれてきたから村を出されたんです。
なのに、雪村綱道は分家の者。
おかしいと思いました。
いくら分家でも雪村家に姉様がいては
村にいるのと同じじゃないのかと…。
すると父様は"人の世で暮らす分家だから"
と言ったんです。
何で今まで気づかなかったんだろう。
考えればすぐに分かる事だった…っ、
それはおかしいって！」

土方「分かるように説明しろ！」

A「前にお話ししましたよね？
村を出る者は記憶を消さなければいけないと。
では、人の世で暮らすとはどういう事ですか？」

斎藤「だから、村を出されたのではないか？」

A「そう考えるのが妥当だと思います。
記憶を消すのは本家も分家も関係ありません。
ならば人の世で暮らしている
雪村綱道も記憶を消されているはずです！」

土方「何だと？！」

A「でも雪村綱道はまがい物を作った。
何故作れた…？
村を出されたはずなのに。
でも、何で村を出されたんだろう…？
ん？除名本に綱道なんて名前、あったっけ…？」

斎藤「落ち着け。ゆっくり考えればいい」

その言葉に甘えて
「すみません」と一言告げてから黙った。