【薄桜鬼】純血を巡る者２ (ページ35)

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しばらく洗い続け、
何とか全ての羽織を洗い終えた。

だけど…。

A「やっぱり少しだけ残っちゃった…」

原田さんごめんなさい！
これ以上は無理でしたぁ！

他の羽織はすぐに落ちて、染みすらも残らなかった。

永倉「そんなに羽織を見つめてどうしたんだ？」

A「原田さんの羽織なんですけど、
綺麗に落ちなかったのが悔しくて…」

永倉「血だからな。仕方ねえって！気にすんな」

そうだよね。それでも一応は
よく見ないと分からない程度までには落としたんだし…。

原田さん、許してぇ…。

このまま洗濯物を置いておいたら臭いが出てしまう。
干そうと立ち上がり、
洗濯物を持とうとしたのだが叶わなかった。

永倉「持ってくんだろ？俺が持っていくよ」

A「え？でも…」

永倉「俺の掃除は終わってるから。
それに、これはAちゃんには重いだろ？」

A「すみません。ありがとうございます」

ここに来た時は斎藤さんの隣に並んで
私が話しかけていたのだけれど、今度は永倉さんだ。

永倉さんは斎藤さんとは違い、私に話しかけていて、
逆に私が相槌を打っていた。

話の内容は巡察の話だったり、
原田さんたちと飲みに行く話だったりだったが、
それを聞いているのがとても楽しかった。

干せる部屋に到着した後も永倉さんは手伝ってくれる。
干している間も永倉さんは話をしてくれて、
これまた楽しく作業が出来ていた時だった。

土方「新八！新八ー！くそっ、何処行きやがったんだ」

部屋の外で永倉さんを探す
土方さんの声が聞こえてくる。

A「永倉さん、土方さんが呼んでいますよ？」

永倉「……やべっ！報告すんの忘れてた！」

土方「A、新八知らねえ……
って、てめえ…、報告もしねえで何してやがる！」

永倉「いや、忘れてたわけじゃねえよ？
報告しに行こうと思ったら
Aちゃんが大変そうだったから手伝ってただけだよ」

土方「ったく…。さっさと報告しに来い！」

ん？さっき忘れてたって言いましたよね？
私を理由にしましたね？

それが何だか永倉さんらしくて笑えてしまう。

A「お手伝いありがとうございました。
こちらは大丈夫ですので、
すぐに土方さんの所へ行ってください」

永倉「悪いな」

こうして何とか大掃除も終わり、新年を迎える準備はバッチリ！

しかしこの二日後。
近藤さん主催の餅つきのおかげで
屯所内が粉だらけになったのは言うまでもない。