【薄桜鬼】純血を巡る者２ (ページ25)

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二人の空気はいつも柔らかくて
居心地がいいんだよな。

鬼だって言われなきゃ、
そこいらにいる可愛い娘たちと変わんねえよ。

斎藤「ところで、巡察の途中ではないのか？」

原田「まだ回らなきゃいけねえから
そろそろ行くか」

A「私は帰ります。
姉様と同じ顔がいてはいけませんからね」

永倉「そんなに駄目な事か？」

A「同じ顔の二人が新選組と一緒にいる。
なんて、目立って仕方ないじゃないですか」

「それでは」と言って
俺たちから離れて歩き出したAだったが…。

原田「お、おい！そっちは逆だぞ！」

A「え？あ、あはは…」

斎藤「はぁ…。俺が連れて帰る」

千鶴「すみません。よろしくお願いします」

そしてまた、斎藤とAは並んで歩き出す。

斎藤「何故、間違うんだ」

A「京って碁盤の目なので
景色が同じに見えてしまうんですよ」

斎藤「分からんでもないが、
歩いていた道だろう」

A「それが分からなくなるから
不思議なんですよね…」

二人の会話が遠ざかるのを聞きながら、
俺たちは斎藤たちとは逆方向へ歩く。

何だろうな…。
このモヤモヤした感情は…。

ちょっとだけだが、
あの隣は俺が歩けていればいいのに。
なんて思っちまうのは嫉妬ってやつなのかもな…。

何の嫉妬だよ。
妹を取られた…、そんな感じか？

……何か違う気がすんだけどな…。