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2:再開 ページ6

目の前に少し大きい門が見え、
その中にお兄さんたちが入って行く。
腕を引っ張られている私は、
必然的にその中に入る事になってしまった。

ここは広間?
客間ではない事は確かかな。

その部屋に入れられ、副長と呼ばれた男の人と
茶色い髪のお兄さんはいなくなってしまった。

監視のように同じ部屋にいるのは斎藤さん。
この人は無口なのか、
それとも私を警戒しているのか何も言葉を発さない。

誰か、この静けさを打ち破って!
気まずいから!




斎藤「お前は、あそこで何をしていた」




心の声でも聞こえているの?
と、思えるほどの時機で
斎藤さんが口を開いてくれた。

完全に尋問のような言葉だったけれど、
それでも静寂を破ってくれたのは嬉しかった。




A「今し方、京に着いたばかりで
宿を探していました」




斎藤さんの目が揺らぐ。
何をそんなに驚いているのかと不思議に思ったけれど、
出会った時の言葉を思い出す。




A「そんなに似ていますか?」




すると斎藤さんの目はまた揺らいだ。
どうやら予想は当たっていたようで、
斎藤さんは「夢ではないのか…」と、
現実逃避のような事を言っている。

フフッ、どう考えても現実ですよ。

口に出しては言わないけれど、
少し笑ってしまっていたようだ。




斎藤「何がおかしい」

A「い、いえ!何も…」




それ以来、斎藤さんは口を開かなくなってしまった。
もっと話をしてくれてもいいのに。
こんな時の沈黙は苦手なんだよぉ…。

静かな室内。
気まずい雰囲気。

どうしたらいいのかな…?

なんて思っていると、廊下の方が急に騒がしくなる。
かと思えば、私たちがいる部屋の障子が開いた。




??「んだよ、こんな夜更けに」

??「平助、いいから入れよ。
後ろが(つか)えてんだよ!」




障子を開けた平助と呼ばれたお兄さんは、
後ろにいた鉢巻きを巻いたお兄さんに足蹴にされ、
転ぶ勢いで部屋に入って来た。




藤堂「あれ?千鶴じゃん。
千鶴も土方さんに起こされたのか?」




平助さんは私の隣に座り、
ニコニコと無邪気な笑顔で話しかけてくれる。

私は姉様ではないけれど、
平助さんの言葉ではっきりした。

姉様は、此処にいるんだ。




??「お!千鶴ちゃん、来るのが早えな。
って、斎藤もいるじゃねえか」




平助さんを足蹴にしたお兄さんは
斎藤さんの存在に気づき、その隣に座った。

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは!レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年8月27日 9時

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