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21:まがい物 ページ48

屋根に現れる真っ黒い影が三人分。
それは鬼の気配を感じるが、
それに混じって変な気配も帯びている。


この気配は、何…?
感じた事がない…。

でも、鬼である事も間違いない…。


地面を蹴って屋根の上に移る。
下で見て取れた数の鬼が立っているのだが、
どうにも様子がおかしい。




A「貴様らは何者だ?」

鬼3「俺たちは選ばれし鬼。
頭領となるべき鬼」




何で、そんなに虚ろなの?
異質・異様。
そんな言葉が似あう。




A「姉様を攫って何をする気だった」

鬼3「東国を治める頭領となる。
鬼たちの頭となる為の鬼」

A「生憎だが、
貴様らに頭領の座を渡す気はない。引け」

鬼3「邪魔をする者は容赦なく斬り捨てる。
我らは選ばれし鬼」




話す言葉は全てが単調で、
先ほどの鬼とは違う。

感情などない。
壊れたからくり人形。

そんな言葉が似あう。

異様な鬼が刀を抜いた。
顔色一つ変えずに、物凄い速さで振り下ろす。


ガキンッ!


な、何?!この馬鹿力は…っ。
一振りだけじゃ、どうにもできない…っ。




A「沖田さん!姉様の腰にある小太刀を
鞘から抜いて投げてください!」

沖田「え?……はい、どうぞ!」




力いっぱい投げてくれた小太刀は、
刃がこちらに向いたまま飛んでくる。




原田「おい…、あれ、やべえんじゃねえか?」

沖田「んー…。ちょっと手元が狂っちゃったかも」




いや、それでいい。


時機を見て大通連を横にずらして払いのけ、
体を後ろに倒す。
すると、異様な鬼の体制がグラッと崩れたその時。


ザンッ!


投げてくれた小通連が異様な鬼の顔に刺さり、
男の体は力なくその場に倒れた。




沖田「終わりよければ全てよし?」

土方「てめえ、Aに当たったら
どうするつもりだったんだ!」

沖田「結果が全てですよ」

A「沖田さん、ありがとうございます。
助かりました」




ニコッと笑ってお礼を言い、
倒れた異様な鬼から小通連を引き抜く。


血の匂いが違う…?


刀に付いた血を指で(すく)い、それを舐めた。




沖田「お腹空いてたのかな?」

原田「いや、どんな発想だよ」

A「うっ、げほっごほっ」




舐めた途端に喉が焼けるように痛くなる。
鼻に抜ける匂いは生臭くて気持ち悪い。

一度だけ口にした事があるアレに似てるけど違う。

まさか…っ!

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは!レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年8月27日 9時

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