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1:京の都 ページ4

元治元年6月。
やっとの思いで京の都へ辿り着いた。

目の前に佇む大きな門の中を見れば
煌びやかな着物を着た女たちと、
その女に群がる男たち。

周囲に広がる街並みを見回して宿を探してみるが、
宿らしき建物はない。
仕方なくその場を後にして、また歩き出す。




A「ここ、何処なんだろう…」




完全に迷子だ。

細い路地を歩いて広い道に出てみたりもしたが、
それでも見当違いな場所を歩いている事は明白だ。




A「困ったな…。早く宿を見つけたいのに…」




何度も同じように、
細い路地から広い道へとを繰り返していた時だった。




??「ぎゃぁぁ!!」




何処かで人の叫び声が聞こえ、
少しだけ肩を(すく)めた。

静寂が戻ってくるのを待ち、
周囲を顔だけを動かして確認してみたが、
その叫び声が何処から聞こえて来たのかは分からない。




A「とにかく宿を探そう。
早く見つけて、早く寝よう…」




そして、また細い路地へ入った時だった。




??「血…、血を…、血をよこせぇぇぇ!!」




どう聞いても後ろから声がする。
振り返れば、真っ白い髪に真っ赤な目をした
浅黄色の羽織を着た男が、
私に向かって飛び掛かろうとしているではないか。

人間との争いは禁止されているけれど、
これは人ではない。

いつでも抜刀できる状態にしていたのだが、
それは必要なかったようだ。




??「うぎゃぁぁぁ!!」




私を襲おうとしていた男の左胸から
刀が飛び出している。
それと同時に、私の顔に男の血が飛んだ。

ドサッという音を立てて
目の前に倒れた男の周りには、
真っ赤な血が流れ出ていた。


これって…っ!




??「……雪、村…?」




絶命している男を見ていたけれど、
急に自分の姓を呼ばれて驚いた。

どうやら私を呼んだのは浅黄色の羽織を着た
髪を結んで横に流しているお兄さんのようだ。

そして、そのお兄さんの後ろから
茶色い髪のお兄さんがひょこっと顔を出す。




??「あれ?千鶴ちゃん、
こんな所で何をしてるの?しかも一人で」

??「千鶴だと?おいてめえ、
こんな時間にこんな所で何してやがる」




私を【千鶴】と呼んだ。
聞き間違えるわけがない。

千鶴って、呼んだ!




A「ね、姉様を…っ!
姉様をご存じなのですか?!」




必死だった。
やっと会えるかもしれない…。

やっと、やっと…っ!

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは!レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年8月27日 9時

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