4:能力血 ページ13
部屋に入ってきたのは優しそうな眼鏡の人。
A「
藤堂「え?ああ、うちの総長の山南さんだよ」
土方さんの隣に腰かけた山南さんは
とても優しそうな人だけれど…。
瞳の奥にギラついた何かを
隠し持っているようにも見えてしまった。
周りを見れば
全員が山南さんを見て話しをしている。
今のうちだと思い、
静かに瞳の色を金色に変化させ、
そのギラついた何かを見ようと目を凝らす。
A「っ…!!」
この人、左手に何かある…。
怪我?
しかも、普通の治療では治らない。
この黒い影は………………っ!?
山南さんが何をしようとしているのかを悟り、
膝を滑らせて山南さんに近づく。
それに警戒したのか、
斎藤さんが立ち上がろうとしたのが
目の端に見えたけれど、
土方さんがそれを止めてくれた。
A「あなた、怪我をしていませんか?」
山南「何故、あなたが知っているのですか?!」
やっぱり。
この人は左手を怪我している。
それに…。
A「あなたは、その怪我が治るのであれば、
まが…、変若水を使おうと考えていませんか?」
土方「何言ってやがる!そんなわけ…」
山南「あなたが何故、
変若水について知っていらっしゃるのか
分かりませんが…。
ええ、何度も考えました。
左腕を負傷し、剣客としての命を絶たれた時、
私は新選組にいて何が出来るのだろうと…。
つい先日の池田屋へも行けず、
皆が命を張って戦っている時に
私はここで指を咥えて待つ事しか出来ない。
それがもどかしいのです」
山南さんは決して自分の為に飲みたいんじゃない。
この新選組の為に飲んで治したいんだ。
山南さんの苦しみを理解し、
ある提案をしようと決めた。
A「あなたは変若水を飲もうと思うほどの
覚悟を持っていらっしゃるのですね」
山南「もちろんです」
A「では、その左腕の怪我、
私なら治せる。と言ったら、どうしますか?」
伏していた目を、
これでもかと山南さんは見開いた。
広間にいるお兄さんたちは
「そんな事、出来るわけがない」
と言っているけれど、私には出来る。
もちろん、山南さんの意思がなければ
やらないけれど…。
山南「もし、そんな事が
現実に出来るのであるなら、
私はやって治したいと思います」
私を映す瞳に
迷いは無いように見えた。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは!レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まほろ | 作成日時:2019年8月27日 9時