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簡単にだが、
山崎さんの服を加工して
自分に合うよう調節した。




A「お待たせしました」

山崎「それなら顔も分からない。大丈夫だろう」




ほとんど山崎さんと同じ姿。
鼻から下は真っ黒い布に覆われているから
顔なんて分からない。

唯一、私だと分かるかもしれないのは
髪型だろう。




山崎「基本的に黒装束の時は
下の道を通らない。行けるか?」

A「大丈夫です。
身を隠して動く事には慣れていますから」




山崎さんに付いて屋根を走ったり
木々の枝を飛んだりと、
まるで忍者のような行動をする。

土地勘のない私は
山崎さんに付いて行くしかない。
とにかく山崎さんを追いかけ続けた。

しばらく走ると
浅黄色の羽織を着た隊列が見えた。

そこは、伏見奉行所。




近藤「会津中将、松平容保様お預かり新選組。
京都守護職の要請により馳せ参じ申した」




静かに木の上に立ち、
近藤さんたちが話をしているのを聞いている。
だが、
役人から言われた言葉は信じられない事だった。




役人「要請だと?
そのような通達は届いておらん」




どういう事だろう。
出動要請を貰ったって土方さんは言っていたのに。
なのに何故、通達が届いていないの…?




近藤「しかし!我らには正式な書状もある!
上に取り次いでいただければ…っ」

役人「取り次ごうとも回答は同じだ!
さぁ帰れ。壬生狼ごときに用はないわ!」




そんな言い方、酷い!

飛び出したい衝動に駆られたが、
それを山崎さんによって静止された。




山崎「駄目だ。所司代は桑名藩の仕事。
我らが下手に騒げば
会津の顔を潰してしまう可能性がある」

A「そうかもしれませんが、
あんな言い方はあんまりです!」

山崎「君の言いたい事も分かる。
だが、今は堪えてくれ」




山崎さんにそう言われ、
唇を噛みしめて悔しさを耐えた。

斎藤さんが近藤さんに耳打ちをすると、
隊列は静かに動き出した。




A「何処へ行くのでしょう?」

山崎「ここでは話にならないようだから、
会津藩と合流しようとしているんだろう」

A「山崎さんは凄いですね」

山崎「これが俺の仕事だからな。
さあ、行こう」




たまに遠回りをせざるを得ない事もあるけど、
それでも隊列に遅れないよう
身を隠しながら追いかける。

どうやら会津藩邸に着いたようで、
近藤さんだけが中へ入って行った。


ここで待機だな…。


その間、
山崎さんとの会話は特になく
沈黙が続いた。

11:禁門の変→←10:騒がしい昼



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは!レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年8月27日 9時

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