純血の日本人 Ⅲ【HP】 (ページ18)

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episode.18 ページ18

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手紙にはまだ続きがあった。

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そして、勝手かもしれないがお前の婚約者を決めてある。
相手は私が昔世話になった家の当主に委ねている。
当主の息子か、またはその家系の歳の近いものと婚姻を結
んでもらえるよう手紙を送っておこう。

私が生きていれば卒業後にでも顔合わせをするつもりだ。
学生の内は思う存分恋愛を楽しむといい。

そして最後に。
お前は私の正体を知ってしまっただろう。
そうだ、私は死喰い人だ。それも日本で唯一の。
母さんのことは愛している、だがそれも命令とあれば始末
をつけるのは私だろう。
こんな父を許してくれ。
A、お前のことを1番に愛しているよ。

大和家当主大和優(すぐる)
└──────────────────────────┘

読み終わった私は心から父様…、いや父さんを憎んだ。
それと同時にそれを受け入れていた母さんのことも軽蔑する。

『婚約者？ふざけないでよ、だから2人にあの手紙を送ったの！？卒業してからって！？』

私は手紙を破き、暖炉へと投げ入れた。
こんなものの存在が許せない。
ただ私の心の奥底で語っていたのは、先代の言葉を受け継ぎ血を未来へと繋ぐことだった。

ボーッと暖炉の火を見つめながら、ふと時計に目をやる。

血を……垂らす……。
杖で自分の右掌に傷をつけ時計に垂らした。

すると歪んでいたはずの文字盤は正常に戻り、黒く厳つい見た目だったはずのバックルなどは細く華奢な薄ピンク色に変わった。

『すご………』

___仕掛けを知りたい。そう思ったがこれ以上は頭がパンクしそうなので、時間もたっぷりあるし明日以降に色々と考えようと思い部屋へと戻った。

その晩、私は久々にゆっくりとお風呂に入り、深い眠りについた。

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