とある冬の日 ページ2
夕飯を終えると
ソファーでゴロゴロし始めるジュノ。
片付けをする私に
『そんなの後でいいじゃん』とか
『早くこっちに来いよ』とか。
いつも急かすのに。
今日は、ずーっとスマホで何かを検索してる。
欲しいものがあったりすると
ああやって、ずーっと検索してるから。
今回も何か気になるものでもあるのかなー
なんて、大して気にとめずにいた。
片付けを終えて
ソファーの端に腰を下ろすと
「終わった？」
「うん」
スマホを操作しながら
クルリと器用に向きを変えて
私の膝へと頭を乗せた。
「なぁ。瑠衣ヌナの家、コタツあるんだって」
「コタツ？ああ、うん。この前買ったって言ってた。ジュノ、リンゴ剥いたけど食べる？」
「うん、食べる。甘いヤツ」
「全部甘いよ？」
「違うよ。もっと甘いヤツ」
少しだけ、くちびるを尖らせると
私の後頭部を引き寄せて
私が噛りかけたリンゴを
反対側から噛った。
「もうっ////普通に食べられないの？！」
「普通だろ？ん、甘いな。なぁ、うちにも買えよ、コタツ」
「えーっ、ヤダー」
「はっ？何でだよ？！ちょーーー良いって言ってたぞ」
「エアコンで充分でしょ」
「いや、エアコンは乾燥するだろ？お肌に悪いじゃん。お前のために、オレが買ってやるから。なっ？！あー、オレってさー、本っと彼女思いだよなぁー」
「調子良いこと言って・・コタツって、ついそのまま寝ちゃったりして、ダラダラしちゃうんだもん。」
「いいじゃん。たまにはダラダラしてもさー。コタツーー、欲しいーー。コタツーー。コタツーー」
地団駄を踏む子供みたいに
全身をブンブン揺らすジュノが可愛くて
思わず笑ってしまう。
「・・もう、分かった。笑。考えておくから」
「絶対だからなっ！笑」
嬉しそうに、天使みたいな笑顔で
私を見上げると
さっきと同じように私の後頭部を引き寄せて
くちびるを付けた。
「////考えておくって言っただけだよ？まだ買うって言ってないもん」
「うん。分かってる。笑」
今度はいたずらっ子みたいな笑顔。
あーーー
すごく可愛い////
可愛いんだけど・・
はぁ・・これ。
買うでしょ、絶対。
さっきまで真剣に検索してたのは
たぶん、コタツなんだと思う。
そして、既に注文済みなんだ、きっと。
だって、ジュノって
欲しいものは、絶対買うんだもん。
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作者名：まろん
| 作成日時：2017年12月17日 12時
