色のある世界 ページ38
「帰ろうっか」
長いキスの後、立ち上がり、私を見下ろして彼が言う
「うん」
同じように立ち上がると、
彼の左手が私の右手を掴み指を絡める。
私の事見ないで、どんどん歩いてくから
それに引っ張られるようについてく。
あ、照れてるんだって分かる
車に乗ると
「携帯」
「え？」
「番号教えて？」
「あぁ・・・」
「ダメ？イヤ？」
「あの・・・」
「会いたくなった時、どうすればいい？」
私が何か言おうとすると
被せて次の言葉を口にするのは
私が否定的な言葉を使う事を怖がってるから
あまのじゃく
きっとそう。
そんな事も可愛いって思う自分が居る
iphonを取り出し、操作する。
「はい」
番号を表示させて彼に見せて
「ここに、かけてみて？」
って言うと、
自分のスマホをポケットから出して
番号をタップする
程なくすると、私の手元が震えだすから
通話ボタンを押して、そっと耳に当てる
「ヨボセヨ」
耳元で彼の低い声
「ヨボセヨ」
返事をすると
「ありがとう」
って彼。
ん？て彼の方を見ると
「教えてくれたから。番号」
って笑う。
「どういたしまして」
顔を見合わせて笑う。
車が走り出すとしばらくして
「家まで送る」
そう言う彼に
「図書館まででいいよ。バスで帰るから」
そう言ってみたものの
「イヤだ。家、どの辺？」
・・・って
言い出したら聞かない。
そしたら
「教えるのイヤだ？」
って、不安そうな顔をする。
私は彼女じゃないから
その不安を取り除いてあげられない。
どうすればいいんだろう？
何でもいいよいいよって言うのが良い事？
自分の中で疑問が湧く。
「じゃあ・・・今度、雨が降ったら送ってもらう」
せめて、次があるって安心させてあげたい。
それが思わせぶりな事だとしても。
「・・・じゃあ今度、雨の日にデートしよ？」
「いつ雨が降るかわかんないよ？」
「いい。俺が決めるから」
そう言って、すこし嬉しそうに運転する横顔が眩しい。
図書館に着き、バス停で車を降りる
窓から彼が顔を覗くと
「家に着いたら、電話して？心配だから」
「・・・分かった」
心配・・・してくれんだ。
「じゃあ、またね」
「うん、また」
車が過ぎ去る
たった3時間、たった3時間で
無色透明だった私の世界に、色がついた。
唇をなぞり、彼の感触を確かめる。
ポツリポツリ
「あ、雨」
昼間の雨雲が、雨を連れてきた。
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寧々(プロフ) - みかさんあんにょん^^チャンソンペンさんでしたか…。チャンソンはまだバレンタインとホワイトデーの中の短編しか書いた事なくて。おいおい書いていければいいなぁ。でもチャンソンって難しい！！！www (2016年11月1日 15時) (
レス) id: fc9d150424 (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - このお話も切なくて泣けます。寧々さんのお話ほんとに面白くて時間を忘れて見てしまいます。チャンソンペンなのですが、チャンソンのお話もどこかにありますか？ (2016年11月1日 9時) (レス) id: 1b4b20a9f5 (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - まみさん» まみさんこんにちわ^^ジュノへおかえりなさいｗそんな私もテクに寄りかかってたのですが、無事に生還しました。ジュノの恋、また切ないターンがぼちぼちとやってきますが、見守ってそしてお付き合い頂けたら嬉しいです！！！ (2016年7月25日 10時) (レス) id: fc9d150424 (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - はるさん» はるさんこんにちわ^^そうですか・・・この夏はお留守番なのですね。私もジュノの夏は先日の名古屋二日間で幕を閉じました。寂しいですが、今は新しいジュノの曲を愛でながら、皆さんと一緒に妄想の世界にどっぷり浸かりたいと思います。一緒にジュノを感じましょうね！ (2016年7月25日 10時) (レス) id: fc9d150424 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - 寧々さん、ジュノに新しい恋をありがとうごじゃいます(^^)前回のお話しで、テク寄りになってた私ですが、今回のお話で無事元のジュノペンに戻ってきました！素直に気持ちを口に出せるようになったジュノ、ちょっと強引だけどイイね！この先も楽しみです。 (2016年7月24日 15時) (レス) id: 4645bd3a42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寧々
| 作者ホームページ：https://youtu.be/GZXHBgjQjNM
作成日時：2016年6月3日 11時
