彼の失恋話 ページ15
「こんにちわ」
彼に声をかける。
「こんにちわ」
と、低い声。
「まさか、ホントにいるなんて・・・」
「え？ヤクソクしたじゃん」
「約束・・・」
「そ。これ」
って着ていたシャツの胸ポケットから
私のipodを出した。
「それ・・・」
でも私は、それよりも彼が手にしてる本を指さす。
「あ、これ？」
って笑って
「気になったから、借りてみました」
「え？」
「2回くらい読みました」
彼は、フッて下を向いて笑って
「・・・ため口で話していい？？」
って聞いてきた。
最初からそうだったけど？って可笑しかったけど
「・・・どうぞ」
って返事をする。
「俺、つい数か月前、彼女にフラれて」
彼は、何を思ったかよりにもよってこんな私に
自分の失恋話をしてきた。
「2年近く付き合ってたんだけど、俺、彼女の事
まぁまぁ何もわかってなくて・・・
突然現れた暑苦し男にとっとと持ってかれちゃって・・・
なんていうか、まぁそんな感じ」
「暑苦しい・・・男？」
「そう。俺がやらないこと、できないこと、言えないこと
さらってやっちゃうようなムカつく男」
「ムカつくって言いながら・・・ムカついてないね？」
って言うと
「ぷっ・・・」
って笑った彼。
「何かと情けないのは、いっつも男で、
この本読んでも、やっぱり男が情けなくて、自分が重なった」
「え？」
「あの時、お父さん、彼女を抱けなかったから・・・」
物語のキーとなるシーン。
この人、ホントにこの本を読んだんだ。
ちゃんと読んだんだ。
そう思ったら、妙に嬉しくて。
「映画も面白い？？」
って、彼が聞いてくる。
「面白いよ。最後のシーンとか、切なくて」
「そっか、じゃあ一度見てみるよ」
って、視線が、重なると
少し、ドキッとして目線をそらして
「まだ・・・彼女の事？」
「え？」
「その彼女の事、まだ好きなの？」
私、何聞いてんだろ。
それ聞いてどうすんだろ。
彼に、興味があった。
だから、とっさにそんな事を聞いてしまったんだ。私。
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寧々(プロフ) - みかさんあんにょん^^チャンソンペンさんでしたか…。チャンソンはまだバレンタインとホワイトデーの中の短編しか書いた事なくて。おいおい書いていければいいなぁ。でもチャンソンって難しい！！！www (2016年11月1日 15時) (
レス) id: fc9d150424 (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - このお話も切なくて泣けます。寧々さんのお話ほんとに面白くて時間を忘れて見てしまいます。チャンソンペンなのですが、チャンソンのお話もどこかにありますか？ (2016年11月1日 9時) (レス) id: 1b4b20a9f5 (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - まみさん» まみさんこんにちわ^^ジュノへおかえりなさいｗそんな私もテクに寄りかかってたのですが、無事に生還しました。ジュノの恋、また切ないターンがぼちぼちとやってきますが、見守ってそしてお付き合い頂けたら嬉しいです！！！ (2016年7月25日 10時) (レス) id: fc9d150424 (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - はるさん» はるさんこんにちわ^^そうですか・・・この夏はお留守番なのですね。私もジュノの夏は先日の名古屋二日間で幕を閉じました。寂しいですが、今は新しいジュノの曲を愛でながら、皆さんと一緒に妄想の世界にどっぷり浸かりたいと思います。一緒にジュノを感じましょうね！ (2016年7月25日 10時) (レス) id: fc9d150424 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - 寧々さん、ジュノに新しい恋をありがとうごじゃいます(^^)前回のお話しで、テク寄りになってた私ですが、今回のお話で無事元のジュノペンに戻ってきました！素直に気持ちを口に出せるようになったジュノ、ちょっと強引だけどイイね！この先も楽しみです。 (2016年7月24日 15時) (レス) id: 4645bd3a42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寧々
| 作者ホームページ：https://youtu.be/GZXHBgjQjNM
作成日時：2016年6月3日 11時
