Queue de Lapin (ページ7)

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「いらっしゃいませ」

学校に行くところ？
ちょっと遅いんじゃ…

そんなこと思ったけど

ぺこっと頭を下げてトレイを取りトングを掴むと

昨日美味しかったって言ってた
りんごのデニッシュひとつと

私が並べ終えたばかりの白パンに目をやった

” Queue de Lapin ”

札に書かれた名前をじっと見つめて

『あの、これって

中になんか入ってますか？』

「いえ、そのパンはいわゆる食事パンで…
シンプルなパンなんです」

『そうですか……』

残念そうな呟きに

「昼食用ですか？
良かったらジャムでも塗りましょうか」

私の提案に、ぱあっと明るくなる表情

『…いいんですか？』

「いいですよ、
私が作ったジャムで良ければ、ですけど」

『…お願いします』

裏にいるホソクに声をかけて
自宅に戻ってジャムを取って戻ると

高校生くんはスマホを出して何かしてる

白パンに切れ目を入れて
バターといちごジャムを挾み

りんごのデニッシュと一緒に
袋に入れて高校生くんに差し出した

「お待たせしました」

ピクッと肩を上げて私を見ると

『…ウサギのしっぽ…？』

あ、調べてくれたんだ

「はい、そうです笑
お店の名前と同じなんですよ」

『かわいい、ですね笑』

あ、笑った

ふにゃり、とした笑顔

ん？

この笑った目元、見たことあるような

『あ、学校…』

「大変、急がなきゃ」

レジで会計を済ませる

「ありがとうございました
お勉強、頑張ってください」

そう声を掛けたら
ちょっとドアの前でつまづきながら出て行く

いつの間にか休憩から上がったホソクが

「勉強頑張れ、につまづいたのかな笑」

笑いながら使用済みのトレイを厨房に運ぶ

ふふ
私もちょっと思ったけど

それは言わないであげて笑

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