Queue de Lapin (ページ34)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:61,332 hit

34 ページ34

.

使用済みのトレイとトングを持って

洗い場の流しに置くと

ユファンが食洗機にトレイを入れてくれた

「ハンさんに気に入られてますね～」

「う、うん」

聞こえちゃってたかな…？

「人柄って大事っすよね」

「え？」

「いやー、パン屋って結構あるじゃないっすか

でもここを選ぶってのはやっぱ雰囲気かなって

あ、もちろん味も大事っすよ？

でもAさんの人柄が気に入ってるってのも

絶対あると思うんすよね

消費者の心理ってやつ」

良かった

さっきの話は聞こえてなかったみたい

「急にどうしたのよ笑」

「ホソギヒョンもAさんも

人に好かれるタイプっすからね

この店、雰囲気いいっすよね～」

なんとも年寄りくさいセリフを吐いて

ユファンは定時に上がっていく

入れ違いに休憩から戻って来たホソク

なんだか難しい顔をしてる

「ホソク？どうかした？」

「…あぁ、いや」

柄にもなく、歯切れが悪い

夜からのお客様の回転率も上々で
閉店の時間にはクタクタになった

あ、そういえば
ジョングーくん今日は来なかった

受験生も勉強大詰めなんだろうな

ふとホソクが大人しいことに気付く

いつもならこんな日は

疲れたー！とか
腹減ったー！とか

ギャンギャン←

でも…

うわの空っていうか

「ホソク、」

「 ……ん？何か言った？」

「いや、元気ないみたいだから」

「そうかー？元気だぞ笑」

そう言って笑って見せたけど
やっぱりどこかおかしい

「ほら、仕事仕事！

早くこれ、片してくれよ」

閉店後の片付けを二人でやって

一緒に店の戸締りをした

「じゃ、ホソクお疲れ様ー」

「あ、あぁうん…」

聞いてるんだか聞いてないんだか

ホソクはうわの空のまま

フラフラしながら帰っていった

.