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「すぐ戻って来るからね」
そう声をかけると小さく頷いた
何だろ、母性本能ってやつを
くすぐってくる子だ
氷まくらにタオルを巻いて戻ると
ジョングーくんは少し辛そうにしていた
「どこか痛い？」
ふるふる
「じゃあ、苦しいとこある？」
ふるふる
ジョングーくんが首を振るたび
前髪が額で揺れる
心細いのかな
「…小さい頃はね
私が熱を出すとお母ちゃんが
ずっとそばにいてくれて…
うちはパン屋さんでしょ
その頃はまだ店舗兼自宅じゃなくてね
いつも学校から帰っても
ひとりでお留守番だったから
風邪引くとお母ちゃんと
ずっと一緒にいられて嬉しかったな」
ジョングーくんのおでこに冷却シートを貼りながら
そんな昔話をする
鼻まで上げたふとんから
潤んだ瞳だけ出して私を見る
『…Aヌナ
ここにいてくれますか？』
「ん、いるよ」
ぽんぽんっとふとんの上から胸のあたりを叩くと
ちょっと満足そうに笑みを浮かべて
静かにまぶたを閉じた
ジョングーくんが眠ったら洗い物をして
シャワー浴びちゃおう
目を覚ました時にそばにいなかったら
またあの不安そうな顔をするかもしれない
…小さい頃目を覚ましたら
お母ちゃんがいなくて泣いたことを思い出した
熱のせいか、怖い夢ばかり見て
もう眠りたくないとまで思った
…ジョングーくんは高校生だから大丈夫か 笑
と、眠りにつくのかと思ったのに
ジョングーくんが話し始める
『…俺
こんな時に誰かがそばにいてくれるの、
はじめてです…
両親は会社勤めだし、兄貴はあんまり
俺のこと関心ないみたいで…
別に仲が悪い、とかじゃないんです
兄貴は頭が良くて親も期待してるし
勉強ばっかしてるんですよ、小さい頃から
” 俺はお前より小さい頃にひとりでも
大丈夫だったんだからお前も大丈夫だろ ”
っていうスタンスなんですよ 笑
寂しい、なんて
とてもじゃないけど言えませんでした…』
そっか…
ジョングーくんはもしかして
甘えたことがないのかも
手を伸ばして髪を撫でてあげると
照れたようにはにかんだ
「じゃ、今日はオンマだと思って？
ワガママ言ってもいいよ 笑」
『…オンマだなんて 笑
ヌナはヌナですよ 』
「何かして欲しいことある？」
『いえ…
ここに、いてください 』
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しむちゃん - ムフフ、ほこほこしますね(^^)頑張ってください楽しみにしてます！ (2017年10月15日 0時) (
レス) id: 5cbc995f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mac | 作成日時：2016年2月16日 21時
