Queue de Lapin (ページ11)

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「おにいちゃん、バイバイ」

小さな手を振ってリナちゃんが帰って行くと

入れ違いにベルを鳴らしたのは

朝の高校生くん

「いらっしゃいませ

今朝は間に合いましたか？」

『あ…はい』

呟きのように口にすると
トレーとトングを手に取る

『あ、の…

今日も勉強して行ってもいいですか？』

「はい、お好きな席へどうぞ」

はにかんだような笑顔を見せて
パンの並んだ棚に視線を移す

うーん、
今時の高校生は綺麗な顔してるな

焼きあがったばかりの
パン･オ･ショコラを取りに

厨房に戻るとガラス越しに
真剣にパンを選ぶ横顔が見える

「…あ、あの高校生くんまた来たんだ笑」

ホソクがオーブンから天板を取り出して

「俺、話しかけて来よーっと」

「あっ、邪魔しちゃダメだよ」

って、もう行ってるし…

パンを選び終えた彼のレジに入って
ホソクはニコニコ笑いながら何か話してる

まったく

ホソクは昔から誰とでもすぐ打ち解けて
年下から慕われ、年上から可愛がられる

さて、あの子はどうかな

あ、笑ってる

さすが、というか笑

「A～！ちょっと来て」

…そんな大声で呼ばなくても聞こえるっての

「あ、来た来た

な、お前まだアレ持ってんだろ？
俺がやった参考書！」

「ある、と思う…けど」

「な？笑

絶対持ってると思ったんだよ！

持って来て、今！」

は、？

持ってるとは思うけど
そんなすぐ出せるかわかんないってば

「彼にあげてもいいだろ？

あ、何くんだっけ、キミ？」

『…ジョングク、

チョン・ジョングクです』

「おー、そうだ笑

ジョングーくん！

ってことだから、A早くっ！」

人使いが荒い従業員だな笑

ちょうどお客さんが途切れて
店内には彼らしかいないし

「じゃ、ちょっと待ってて

ホソク、店頼むよ？」

「おーっけ！任しとけー笑」

ホソクはもう高校生くんに向いて

「どうせ俺らは使わないしな」

とかなんとか…

面倒見が良くて

まあ、多少？
押しつけがましいとこもあるけど

頑張ってる人を応援したくなるらしいし

高校生くん、迷惑がってなきゃいいけど笑

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