或る爆弾 -7- ページ20
「社長」
ペコリと国木田が礼儀正しく頭を下げる。
「しゃ、社長!?」
敦は慌てて目の前の男に目線を送った。
「そこの太宰めが
「有能なる若者が居る」と云うゆえ、その魂の真贋、試させて貰った」
「君を社員に推薦したのだけれど、如何せん君は区の災害指定猛獣だ。
保護すべきか社内で揉めてね。
で、社長の一声でこうなった、と」
人当たりのいい笑みを浮かべて敦に話す太宰。
「で社長……結果は?」
国木田がそう問うと、福沢はちらりと敦に目を移した。
そしてくるりと背を向けると、そのまま扉の方へ戻っていく。
「太宰に一任する」
「…………」
福沢の威圧に圧倒されていた敦に
「合格だそうだ。良かったな」
Aが仄かに微笑みを向ける。
「つ つまり……?僕に斡旋する仕事っていうのは…
此処の……?」
「武装探偵社へようこそ」
太宰の言葉に、敦は合格して仕事にありつけた喜びから口許を綻ばせる。
「うふ、よろしくお願いしますわ」
艶のある黒髪に泣き黒子が学生とは思えぬほど色っぽい少女と
「い、痛い、そこ痛いってば!
ナオミごめん、ごめんって!」
纏眉を下げる爆弾魔……役をしていた青年。
谷崎潤一郎────
能力名『細雪』
その妹────
ナオミ
その二人の間からおいでおいでと手招きする手。
社員達は皆敦を歓迎しているようだった。
「ぼ 僕を試すためだけに……こんな大掛かりな仕掛けを?」
「この位で驚いてちゃ身が保たないよ?」
太宰の笑みにカサカサカサと素早く後ずさりすると
「いやいや!こんな無茶で物騒な職場、僕無理ですよ!」
と断る。
「おや、君が無理と云うなら強制はできないね」
「?」
「となると君が住んでる社員寮、引き払わないと」
一瞬で敦の表情が凍る。
「Aちゃん、手続き宜しく」
「判りました」
必要書類を取りに行くAの背中を見つめる敦は
これ迄に無い程の絶望した表情を見せた。
「あと寮の食費と電話の払いもあるけど……
大丈夫?
Aちゃん仕事早いから 手続き終わらせちゃうよ?」
────せ……
「(選択肢無いじゃないですかああああぁぁ)」
「Aちゃん、お仕事ストップー」
「大丈夫です。初めからしてません」
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水無月碧音(プロフ) - 蓮(ルイ)さん» 覚えました!宜しくお願いします。最近少し忙しいですが次からは続編なので頑張ります! (2018年5月7日 23時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
蓮(ルイ) - 名前が変わっていると思いますが一応ルイです!これからは蓮です!更新楽しみにしています! (2018年5月7日 23時) (レス) id: aeb99a7d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます!暇つぶしで描いている絵を褒めていただき嬉しいです!頑張ります (2018年5月4日 18時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 絵が凄いです!驚きました!更新楽しみにしています! (2018年5月4日 14時) (レス) id: aeb99a7d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - 神無月碧依さん» そう言って頂き嬉しいです!頑張りました(笑) (2018年3月7日 17時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月碧音 | 作成日時:2018年1月1日 22時