第五話 ページ7
私は今、アンと共にお父様の書斎の前にいる。
中に入らなくてはいけないのは分かっているのだが、なかなか覚悟を決めることができないのだ。
だって、あのお父様が私のことを名指しで呼び出すなんて、今まで一度もないことだったのだから。
多少のわがままならば、大抵のことは叶えてくれる。それが私たちの父である。
しかし、それは私が一方的に言っているだけだから、面と向かって話すような時などほとんど無いのだ。しかも、大抵のことは晩餐の時間に言ってしまうし。
まぁ、だからこそ、入り難いのだ。直接私に伝えたいことなのだから、よっぽど大事なことなのだろう。あれほど信頼するアンに伝えることすらしないほど。
(はぁ。入りたくない……)
「ねぇ、アン。やっぱり入らなくては駄目かしら？」
とダメもとで訊くと、案の定
「入らなくては駄目ですわ。」
と、言われてしまった。
「なぜお嬢様は、そこまで旦那様の話を聞きたくはないのですか？
良いしらせだとおっしゃられていましたのに。」
だからこそ入りたくないのですが。
そんな言葉がのどまで出かかったが、必死でおさえる。
不思議そうな顔のアンと、疲れきったような顔をした私が書斎の前で立っていると、突然、ギッという音が響き渡った。
「おや？二人して、どうしたんだい？」
まさかのまさか、話題の本人様登場である。
＜作者のひとこと＞
第五話を読んでいただき、ありがとうございます。
今気がついたのですが、これはもうひとことではないですね。
まぁ、このままやっていくつもりですが。
質問等がありましたら、答えられることはなるべく答えますので、ぜひ書き込んで下さい。
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Lily - 夜籠目さん» コメントありがとうございます！嬉しすぎて嬉し涙がちょちょぎれちゃいます。この小説がなろう系なのは、私が現在進行系でなろうにたむろっているからです。 (2016年5月25日 14時) (
レス) id: e862ef2837 (このIDを非表示/違反報告)
夜籠目(プロフ) - 占ツクよりは、なろう系にありそう。 (2016年5月24日 21時) (レス) id: 3bd8e99442 (このIDを非表示/違反報告)
Lyly - ぷよ傘さん» コメントありがとうございます。楽しんで頂けて幸いです。更新を頑張るので、これからもどうぞ宜しくお願い致します。 (2016年5月21日 14時) (レス) id: ad4da21ebf (このIDを非表示/違反報告)
ぷよ傘(プロフ) - 私は今まで転生系の小説をあまり読んだことがなかったのですがとても面白いですね！主人公の心理描写などが非常にしっかりとしていて感情移入がしやすく楽しませていただきました。これからも更新頑張ってください。 (2016年5月20日 22時) (レス) id: 61adbf0e08 (このIDを非表示/違反報告)
Lyly - 風華@露領さん» 作品を見ていただけて、とても嬉しいです。ありがとうございます。面白いと思って頂けるよう、これからも頑張りますので、どうぞ宜しくお願い致します。 (2016年5月16日 19時) (レス) id: ad4da21ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lily x他1人 | 作成日時：2016年5月3日 15時
