ツル ページ6
病院から見える外の景色は、少しずつ色を付けてきていた
そんな、ある日の昼下がり
「おばあちゃん？」
「ん？なぁに？」
孫が病室で私に話しかけた
「これ、あげる」
手渡されたものは、折り紙で折った小さな鶴だった
「これを、私に？」
「うんっ。早く元気になってね！」
「ありがとう」
小さなピンク色の鶴
手のひらに乗せると、今にも外へ飛んで行きそうだった
その夜
ジェジュンは病院にやって来た
「どう？調子は」
「うん。昨日と同じ(笑)」
「そうか(笑)」
静かな病室で、私と彼の小さな声
こんな時間も、私には特別に感じる
「旅行さ、Aの誕生日の前の日に出発予定にしとくから」
「えっ…でも…」
「もし予定通りにならなくても、予定をずらせば大丈夫だから」
「ジェジュン…私」
「だからっ、頑張って退院しなくちゃな」
「…そうね」
多分、予定通りには行けないと思う
ううん
きっと…旅行には、行けないと自分で分かっている
けれど、彼の顔を見ていると
そのことを言えずに、微笑む彼に
微笑み返すだけ
私は…
春の空を見ることが出来るだろうか
ベッドの上に置かれた彼の手を
自分から重ねてぎゅっと握った
「っは(笑)どうした？」
「うん…。なんだかね…ジェジュンに帰ってほしくないなぁ〜…って」
「珍しいな？Aがそんな事言うなんて」
「ふふっ…、そうね」
「じゃぁ、今夜は泊っていく」
「あぁ…いいのよ？ただ言っただけだから(笑)」
「良いよ。泊っていくから」
「でも…」
「付き添い用のベッドもあるんだし。
先生にもいつでも泊って良いって許可は貰ってるんだし」
「でも病院じゃゆっくり眠れないでしょ？」
「大丈夫だから〜！」
「…ありがとう、ジェジュン」
「うん」
そして、私が眠るまで
彼は手を繋いでくれた
私はその夜、夢を見た
出会った頃のまだ若かった彼と、今の年老いた自分
必死に彼に”私はA”だと言っているのに
彼には伝わらない
”おばあちゃん？おばあちゃんも『A』って言うの？”
”ジェジュンっ！私はAよっ！”
”そうなんだぁ〜(笑)僕の彼女も『A』って言うんだ。
とっても僕を愛してくれるんだよ”
”ジェジュンっ！だから私がっ!”
”僕ね、Aと出会ったこと…とても幸せに思うんだ”
”ジェジュン…”
”おばあちゃんも、そう思うでしょ？”
「っ…」
目覚めると、簡易ベッドで眠る彼がそこにいた
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裕(プロフ) - けぃたんさん» こちらにもコメント、ありがとうございます(*´ω`*)嬉しいです(*´∀`*) (2017年11月10日 21時) (
レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - yucapさん» 遅すぎるコメ返、申し訳ない<(_ _)>ホロコン、随分と遠い気がします(^-^)でも、行けて良かった(^^) (2017年11月10日 21時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
けぃたん(プロフ) - 裕さん(^_^)もぅ...最後やばい(>_<)読んでてこんなに涙ってでるの？ってくらいでした...やっぱり裕さんの作品好きです(*≧∀≦*) (2017年11月10日 18時) (レス) id: af9b89c215 (このIDを非表示/違反報告)
yucap(プロフ) - アンニョン^^*裕さんの描くジェジュンに会いたくて読み返しました^^*涙涙(><)もうすぐほろコンですね☆楽しみで仕方ありません(￣▽￣) (2016年2月7日 2時) (レス) id: 6f3837258d (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 暁子さん» 読み返して頂いてありがとうござます(^^)明けましておめでとうござます(^o^)今年もよろしくお願いします！ (2016年1月4日 3時) (レス) id: 10763d45a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕
| 作成日時：2015年4月30日 23時
