恋を知らない二人 3

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想像していなかった告白に



声が出せなかった



「小学生3年くらいまで普通の家庭だった
優しい父と母と3人暮らしだったけど
父が病気で働けなくなって生活ヤバく
なったみたいで
最初は知らないおじさんやおばさんと
遊んだり風呂入ったりするだけだったんだ
変な感じはしたけど何かされる訳じゃないし
我慢できた」



早川さんは大きく息を吸い込んで



「でも小5の時に変な事されそうになって
逃げて帰ったらすごい怒られた」



『………………怒られた？』



「逃げたらお金がもらえないって………
お父さん殺す気なのかって………
もう一度無理矢理連れていかれて
それでもう心も身体も壊された感じ
父さんのために我慢するしかないって
それから19歳まで続いて相手は
男女バラバラで毎週のように………」



私の辛さなんて比じゃなかった



「嫌だけど父の治療費と生活費稼ぐ方法が
それしかわかんなかったし
高校も行かせてもらえなくて友達も居なくて
もう辛いの通り越して感情もなかったから」



想像を絶する苦しみの日々…………



「父さんが死んだ時にもう解放されるって
思ったんだけど気づいたら母親は
仕事してなくて俺の稼ぎだけで
生活してたみたいでまだ続けろって言われた
しかも母親だと思ってた人は父さんの
再婚相手だったみたいで本当の母親ではなかったし
本当の母親じゃないもんあんな事させるよね
なんか疲れたし自分が気持ち悪くて
逃げて遠くで死のうとしたら田中さんに
助けられたんだ。これが全部」



涙が頬をつたった



それは私だけじゃなくて



早川さんも同じだった



かけられる言葉が見つからない



「ね？俺って最低でしょ？気持ち悪いでしょ？」



『そんな事…………ない』



それを言うのが精一杯



「今日は晩ごはんは要らないから」



早川さんは部屋に戻ってしまった

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