雨と私と捨て猫と

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ー ピンポーン ー



チャイムをならすとガラッと乱暴に
ドアが開けられた



「どちら様……………」



ミツさんの顔を見たら涙が溢れてきた



ミツさんはびっくりして私を見てた



破かれたシャツにグシャグシャの髪



そして殴られた顔



靴は片方しか履いていない



こんな姿見たら誰だって驚くに決まってる



「岩橋………お前………」



泣きじゃくる私を玄関の中に引き入れて



「ばーちゃん！ちょっと来て！！早く！！」



普通ではない叫び声に



婆「ミツ？どうしたんだい？」



駆けつけたおばあさんは私を見つけ



婆「Aちゃん！何があったの！」



私を抱きしめてくれた



ミツさんは着ていたパーカーを脱いで
私に着せてくれて



ミツ「もしかして………父親に………？」



私は頷き



『殴られて押し倒されて……
でもそれ以上は何もされてないです！
本当に何も………』



何かされた汚い女だと思われたくなくて



『されそうになったけど抵抗して
必死に逃げて来たんです』



涙ながらに説明した



ミツ「許せねー。警察に通報しよう
これは立派な犯罪だ」



『待って下さい！警察は………』



婆「Aちゃん。私も警察に
通報した方がいいと思うよ」



『警察が来たら取り調べとかしたり
ご近所に変な目で見られるから………
それにあの人が捕まったら妹が
犯罪者の娘になっちゃうから………』



大嫌いな妹だけど…………



彼女も寂しさから母を独り占めしたり
私に嫌がらせしてるはずだから



大嫌いだけど妹には罪はないと思うから



『私の願いは母に真実を伝えて……
別れてもらいたい………それだけです』

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