雨と私と捨て猫と

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11時半を少し過ぎた頃に家を出た



今日はお母さんと妹が買い物に行くらしく
ウキウキしていた



一応行ってきますと言ってはみたけど



返事はない



もう慣れたつもりだったけど
少し寂しさが襲う



でも外に出たらすごく晴れていて



おばあさんとミツさんと猫ちゃんにも
会えるから私の足取りも軽くなる



ご近所だから十数分歩くと
あの立派な門が見えてくる



門の中に入りドキドキしながら
チャイムをならす



するとガラリと扉が開き中から
ミツさんが出てきた



「おう」



『こんにちは！ぉ…お邪魔します』



「わざわざありがとな」



そう言って中に入るように促した



リビングにはおばあさんと子猫ちゃん



『おばあさんこんにちは！
体調はいかかですか？』



婆「もうすっかり元気になったよ
助けてくれてありがとね」



『良かったです。本当に心配しました』



婆「ちょっと持病の発作がね」



ミツ「薬さえ飲んでれば発作なんて
起きねーんだから。しっかりしろよ」



婆「たまたま飲み忘れてね」



ミツ「老い先短いんだから飲み忘れてんじゃねーよ」



婆「エヘヘ」



ミツ「エヘヘじゃねーよ」



相変わらずの口喧嘩だけど
やっぱりそこには愛がある



ミツさんがどれほど心配し
おばあさんを大切に思っているかが
すごくよくわかる



『あの………クッキー焼きて来たんですが
良かったら食後にでも食べてください』



婆「ありがとう」



『あと猫じゃらしと子猫用のミルクです』



そう言ってカバンから猫じゃらしを出すと
子猫ちゃんが飛びかかってきた

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