にほんごのせんせい。【YG】(完結)

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ユンギとの幸せな日々。












しかし、ある日、事務所の偉い方によばれた。










｢これ、分かる？｣






机の上に並べられる数枚の写真。




ウチの階段を昇るユンギ。

ウチに入るユンギ。

帰るユンギと手を振る私。







｢…はい｣






スカートをギュッと掴む。






｢ウチのユンギがいつもチョロチョロと出掛けてね…

数日間、後をつけさせたんだわ。


毎回行くところは同じ……ここ。｣



写真を、トントン叩く。




｢今、あの子たちがどんな時期か分かってるよね。

これが、パパラッチされたり、サセンに、気づかれたらどう責任とれる？

一時の感情で、アイドルとしての道を閉ざしますか？


ユンギは1人じゃないんですよ。


7人、そりゃぁ、すんごい努力しています。



あの子たちどうしますか、先生。｣







すごい圧。




すごい怖い……怖いよ、ユンギ……






涙がポロポロとスカートを握りしめる手の甲に落ちる。






｢……すみません｣






顔もあげられず、下を向いたまま謝る。






｢謝ってほしい訳じゃないんですよ、先生。


これからの事を聞いています。




元々、日本語の指導をする時のお約束もしましたよね。

覚えてますか？メンバーと恋愛は禁止って。




ユンギを愛しているんですか？

ユンギが大事ですか？

それなら、何をしてあげられますか？｣







｢……すみません…ユンギ君をとても愛しています。



だから…だから……｣




うまく話せない……





｢だから？｣









｢……はい…だから…彼の元から離れます｣






そう言うと、ホッとしたような声で言う。



｢そうですね、愛するユンギを想うなら、別れた方がいいですね。


あの子たちは、これからアメリカへの進出も視野に入れてやって行くんだから、一緒に先生も応援しましょうよ。



世界で活躍する防弾少年団をみましょうよ、先生。

まだ、今なら、パン社長も知りません。

社長の耳に入る前に辞めておいたほうがいいですよね。｣






｢はい｣









そこから、退職届なども書かされた。





いくらかは知らないけど、退職金もいただけるらしい。

汚いな。




でも、汚いのは私。




メンバーとの恋愛禁止を破ったんだもんね。









明後日から、彼らは香港や台湾へ出掛ける。


だから、その間に引越しはどうですかって。













ユンギとは明日で最後だね。




たくさんの夜ご飯を準備してあげよう。

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