にほんごのせんせい。【YG】(完結)

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ヌナのウチは落ち着く。

そして、ヌナと一緒にいると落ち着く。




オレはそんなに口数が多い方ではない。


だから、ヌナが一方的に次から次へとベラベラ話す。





歩いていた時にみつけた小鳥の話から、遠い国での紛争の話、

同じ地球に住んでいるのに飢えに苦しむ人がいる、それなのに、平気で食べ物を粗末にする人がいる、
栄養失調の人がいるのにダイエットで成功自慢する人がいる……

そんな持論の話かと思えば、

市場でリンゴを2個もオマケしてもらえたという話、

話題が豊富すぎて、飽きない。


そして、意外と雑学王だし、自分の意見、主張も持っていて、すごく勉強になる。





オレはだいたい、ヌナにもたれて話を聴いたり、座っているヌナの腰に手をまわしたり、ヌナのどこかに密着して話を聴いている。



いちいち相槌をしないと、「あ〜また寝てるでしょ！」なんて言って、ボリュームをあげて熱弁してきたりもする。



ほんと、おもしれぇ。





今日も、ヌナの膝に頭をのせて寝ていると、こしょこしょと、くすぐったい。


目を開けると、猫じゃらしを持って遊んでいる。




「あ！ネコちゃん、起きた！」

大笑いのヌナ。



「なにしてんだよ」



「あ〜やっぱ反応すんだ！

ネコちゃんは猫じゃらしが大好きなんだね」



つられて笑ってしまったオレをご機嫌だと勘違いしたようで大笑いするヌナ。


ほれほれ〜なんてやってくる。




「前さ、靴屋さんがあったところに、新しくペットショップがオープンしたのよ…

めっちゃかわいい真っ白のネコちゃんがいてさ、ユンちゃんみたいって、眺めていたら店員さんが抱っこさせてくれたの。

ウチにもネコいるんですって言ったら、オープン記念に、猫じゃらしくれたの。


よかったら、お客様のネコちゃん連れて来てくださいってさ…今度、一緒に行く？」





そう言って、楽しそうに笑ってる。

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