にほんごのせんせい。【YG】(完結)

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｢これね、肉じゃがって言うの。

家庭的な日本食の代表って、肉じゃがとかかなって。




ミン君、魚食べれる？

若い男の子って、こんな煮魚たべないかな。

甘辛く煮込んでみたんだけど…日本食っぽいかなって。




これは、ナムルじゃないよ、お浸し。



日本のお味噌をつかったお味噌汁もあるからね。


韓国の食卓みたいに、そんなにおかずが、多くないけど…

オカワリはあるから、たくさん、お食べ！｣








1人でベラベラ話す先生の話を聞きながら食べる。




うめぇ。



オレ、やっぱ日本食、あうわ。





｢どう？お口にあう？｣





無言で食べるオレに不安顔できいてくる。



あ、夢中で返事してなかったな。




｢うまい｣



｢お魚、大丈夫？無理して食べなくていいからね｣




｢オレ、好き嫌いないから｣



｢そうなの？

意外！！ めっちゃ好き嫌いしそうに見えるのにね笑｣





偏見だわ。





｢オカワリは？｣



｢いや、もう大丈夫｣




本当はもっと食いたいけど、これ以上食ったら、深夜練にひびく。






｢そうなの？たくさん作ったのに｣



｢オカワリ分は…次回にとっとく｣




｢次回？｣




｢うん、また来るから作って｣



｢ふふっ、分かった｣







次回の約束もこぎつけた。






帰り際、先生は一人暮らしだから困っちゃうので、よかったら持って帰って…お夜食にでもどうぞって、
肉じゃがを持たせてくれた。




まだほんのりとあたたかい肉じゃがを手に、帰り道は自然と頬がゆるむ。





姉がいたら、こんなかんじだったのかな。






オンマの飯も食べたいな。



先生の優しい味がする手料理は、オンマを思い出させるような、なんだかあたたかいものだった。

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