にほんごのせんせい。【YG】(完結)

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運良く捕まえたタクシーに乗って、その場所へ




携帯の示す居場所に着いても先生の姿はない




どこにいんだよ、全く……







ウロウロと探していると、目に止まった建物と建物の間の真っ暗な狭い路地






そこにうずくまる先生をみつけた


よし、やっと、みつけた……






春になったというのに、朝晩は冷え込む



部屋着であろう薄着に裸足で震えている



着るものも履くものも取らず、飛び出して逃げてきたんだろう……そう察するオレの第六感






とりあえず、オレの着てきた上着を着せて、乗ってきたタクシーに乗せた






事務所の駐車場について、部屋に連れていこうとするも、足が痛いようだ


よくみると血が出ている





しょうがないから、抱っこして、オレの作業部屋に運んだ




気が強い女教師だけど、思いのほか軽い、そしてか弱い女なんだな




よくこんな弱々しい女に手をあげたもんだよ




先生の旦那に、怒りがフツフツと湧き上がる






オレの腕の中の先生は、いつものようなハキハキとした話し方はどこへやら…寒さと恐怖で震えながら

「重くない？」

って、うるうるした目で問うてくる




自分がこれ以上ないような憐れな状況なのに、しょーもないことを気にすんだな




何も答えないオレの腕の中で、ポツリと言う





「……ごめんね……」






シャワー室からお湯も運び、足を温めるように綺麗にしてやる。

気の強い先生も、今日はされるがままだ





改めて見ても、細い足首。折れそうだな。手首も細い。





医務室から救急箱を借りてきて手当てもしてやる



首にも噛み跡……ヒドイな




｢写真撮ってい？｣




｢は？｣




｢今後、写真が役に立つ時が来るかもしれねぇから、残しておいた方がいい｣




今は、そんなつもりもないかもしれねぇけど、この先、気が変わって、訴えるような時に証拠があると有利だ。



診断書も取った方がいいな。



何枚か、先生のスマホで撮ってやった。



さすがに人妻の見えない部分は手当ても出来ないが、見えるところだけでも、痛々しい。







怖かったと思う



とりあえず、ここなら安心だ


ゆっくり休めばいい




これ以上詮索しないように、オレは作業の続きをやるか。




しばらく一生懸命作業をし、振り返ってみてみると、

ブランケットをすっぽり被り、ソファで丸くなって眠っていた。






怒った顔のイメージが強かったけど、こうしてみると、かわいい顔してんじゃん。

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