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強い子だな……いや、強がってるだけか。
｢よく頑張ってきたな｣
思わず、頭をぽんぽんと、なでるように叩いてやった。
｢頑張ってきたのかな？｣
｢うん、頑張って生きてるよ、お前。｣
きっと、大人の顔色ばかり窺って生きてきたんだろうな。
オレの顔を覗き込んできたから、しっかり目を見て言ってやる。
｢お前はエラいよ。
死ぬ事なんていつでもいいじゃん、
どうせそのうち、寿命がきたら死ぬんだから。
それならさ、
逃げるように死んでいくんじゃなくてさ……
そうだな、この世もおもしろかったな、
なんて、笑いながら死んでいかね？
死ぬ前にいっぺん、幸せだなって、幸せ感じてみねぇ？
幸せ探し、してみたら？｣
｢フッ……幸せって、なんなんだろうね｣
｢そうだな、難しいもんに思えるだろ。
だけど、金があるとかねぇとか、恵まれねぇ環境だとか、
そんなのは結局、関係ねぇんだよ。
それは、自分で体験してみ｣
幸せの答えなんて、教えてやれねぇ。
答えなんてない。
人によって価値観が違うんだから。
だけど、いつか、コイツも、そう感じられるようになって欲しいと思う。
｢おにいさんは、今、幸せ？｣
無邪気な顔して聞いてくる。
｢あぁ……そうだな、
幸せだと感じる事も多くなったし、いろんな事に感謝出来るようになった｣
｢よかったじゃん。
それなら、こんなとこで、知らない女相手にラーメンなんて食ってないで、早く帰りな｣
クールな女だな。
｢漢江みながら、ここにこうやって座ってラーメン食うのも、幸せ感じたりすんだよ……
意外といいもんだよ、生きるって…うん、悪くないわ｣
｢変な奴だな｣って呟いたの、聞こえたぞ。
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作者名：みんと
| 作成日時：2022年9月9日 17時
