33 YG ページ33
意外にもジョングクの口は固く、
メンバーの誰からも突っ込まれることもなく過ぎる日々。
仕事終わりに、みんなで、飯を食いに行こうかって話題が出ると、
｢いや、今日はやめときましょ。明日も早いから解散で。
さ、早くユンギヒョン、帰りなよ、疲れた顔してるよ。
でも、ヒョン！また 【一緒に！】 ヤンコチ行こうね〜｣
なんて意味ありげに言う。
メンバーは、最近マンネの付き合いが悪いとか言ってる。
気をつかってくれてんのか、マンネ君。
今日のミーティングで、
資料とみんなに聞かせようと思っていた曲を家のパソコンから取り出して来るのを忘れた。
どうしようか、戻る時間もねぇな。
仕方ない。
Aに電話し、SDに入れて、他の忘れ物と一緒に持ってきてもらうことにした。
タクシーの乗り方、どこで降りるか、会社に入ったら、受付でこう言って預けろと、
事細かに説明するオレに、横にいたジョングクがあきれて笑ってくる。
｢どこまで過保護なの？めっちゃ大事にしてんじゃん｣
｢コイツは、世間知らずだから。｣
｢そう思ってんのはヒョンだけじゃん？
今までしっかり生きてきたんだから。
ヒョンが心配してるだけじゃないの？｣
そうか、そうかもしれない。
先回りして指示ばかりしないで、もっと、アイツを信用してやらねぇとな。
｢誰かに取られたら〜オレのモノに手を出されたら〜なんて、
心配しすぎなんですよ、ヒョン｣
｢んなワケねぇよ｣
ん？そんな訳ないのか？
でも、誰でも…その辺の男には渡したくはねぇな。
そもそも、まだ完全なレディに仕上がってねぇのに、外に出す訳にはいかねえよ。
そんな、親心。
時間になり、ミーティングが始まる。
遅いな、資料……
大丈夫か？
チラチラ時計をみるオレに、ジョングクが、
｢大丈夫なんで、集中してください！｣
って、笑いながら突っつく。
しばらくすると、コンコンと、ドアが叩かれた。
マネージャーが立ち上がり、ドアを開けると、まさかの泣きそうな顔をしたAがいる。
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作者名：みんと
| 作成日時：2022年9月9日 17時
