24 YG ページ24
ある日、短い歌詞を渡してメロディをつけるように言って出かけた。
帰宅すると、もじもじと、一応作ったけど…と言う。
聴いてみると悪くない。
少し手直ししてやるといい曲になるかもしれない。
｢なかなかいいじゃん｣
そう言ってやると、嬉しそうに笑う。
かわいい顔、出来んのな。
｢ご褒美に飯、連れてってやる｣
思わず、口から出た言葉。
｢ご飯出来てるよ｣
｢明日にまわせばいいじゃん｣
そして、手をひっぱり、車に乗せた。
オレは仕事帰りで、たまたまブレザーを着ている。
しかし、助手席のAといえば、Tシャツにチノパン。
仮にも女の子…さすがに、かわいそうかなって。
行きつけの知り合いがいるブランドショップに行き、服を選んだ。ついでにメイクも頼む。
スマホをいじりながら、着替えるのを待っていると、
お待たせしましたー
なんて、
スタッフの声がして、振り向くと……
誰？って思うほど、変貌をとげたA。
あまり人の目を見れないオレは、0.1秒位みただけ。
だけど、そのピンクに染まった頬は化粧のせい？
なんなんだよ、コイツ。
ちゃんとオンナだったんだ。
不覚にもかわいいと思ったオレはチョロい男なんだろうか。
これは、韓国ドラマか？
オレ、こんなシーン何度も観たことあるぞ。
｢あの〜、こんなかんじでよろしかったでしょうか｣
足元をみつめ、何も言わないオレにスタッフが声をかける。
｢あ、そうだね、あとは、バッグも持たせようかな｣
とりあえず、心の中の気持ちを誤魔化す為に、バッグ選びへと集中した。
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作者名：みんと
| 作成日時：2022年9月9日 17時
