MY LADY【YG】完結 (ページ1)

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漢南大橋のそばにあるチャムォン漢江公園のはずれ。

まだ、小さな事務所だった頃、
先の見えない不安でイライラしては、1人になりたくて、
漢江を求めてフラフラ歩いて来た。

時には、事務所から、
わざわざ、自分とは場違いな場所かもしれない皆の憧れのカロスキルを通って、
この場所へ来た事もある。

今じゃもう、カロスキルのもの、
なんでも買える位には稼いでるけど…

ここが、上京してきて、もう数年も前からのオレのヒーリングの場所。

楽しそうに、
家族やカップルで、自転車をこいだり、散歩したりする人たちがいるであろう公園内には踏み込める勇気もなく、

いつも公園の端っこの木に1人、もたれていた。

この木は、公園の端にあるが、極寒にも、灼熱のような暑さにも耐えながら、漢江を見つめ、堂々と立っている。

お前はいいよな、人の目にも怯えず、人の声にも左右されず、立派にここに根を下ろし、すくすくと育っている。

オレも、お前みたいになりてぇよ…

なんて、話しかけた事もあるっけな。

今日も、なかなか思ったように作業もすすまず、
初心に戻りたくて、久しぶりにふらりと立ち寄った……

しかし、そこには、先着の人が。

なんだよ

そいつは、別に悪くねぇけど、

自分の立ち位置を取られた気分で少し睨みつけながら、
横を通り、川の近くに座る事にした。

余計に歌詞が出てこねぇのは、いつもの場所ではないからか。

場所のせいにして、気をしずめるようにする。

まだ、さっきの奴、いんのかなって、見てみると
いなくなってる。

よっしゃ、
それじゃ、その木の元へ移動しようかなと思ったその時、
フラフラと漢江へ向かうそいつがいた。

フツウじゃねぇな。

ラクになりてぇのかな。