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しばらくして、ワインが運ばれてきた



ウェイターがユンギさんのグラスにワインを注ぐ



匂いを嗅ぎ、テイスティングをした後

「大丈夫です」

とうなづくユンギさん






大人だ

素敵だな






私のグラスにもキレイな色のワインが注がれた




どうやら乾杯するみたい





カチンとグラスが合わさり、乾杯







グラスの向こうには、「おつかれ」って、優しく微笑むユンギさん






この人に似合うオトナの女性になりたいなって、
心から思った







「あの…こんな素敵なレストランに連れてきてくださって、
本当にありがとうございます」






「ん…

こちらこそ、今日はつき合ってもらって、ありがとな」






「こんな素敵なお店とか、よく行かれるんですか?」





「まさか。

オレがしょっちゅう行くと思う?

普段はもっぱら、オヤジくさい居酒屋とかヤンコチとかだな


ここは
ジンさんおすすめで、行ってみよっかなって思って」









そんなの、私とでよかったのかな……


彼女さんに悪いじゃん









そんな事考えてたら、もっと衝撃的な事をさらっと言い出した








「ま、誕生日くらい、洒落たとこでメシでも食おうかなって」







ん?








「誰のお誕生日ですか」





「ん?あぁ、オレの…」









は?







た、たんじょうび?




ユンギさんのたんじょうび……







「えっ、どうしよう……そんな……

あ!今日のここのお店のお代は私が出します!!」






「アホか…オレが勝手に連れてきたんだから、いらねぇよ


あ、それとも、ほんとに、おごってくれんの?

めっちゃ高いけど、大丈夫?」







あ……そうだ…絶対高いじゃん


でも、明日から節約生活すればなんとか…








「ㅋㅋㅋ……

ウソだよ、そんな難しい顔すんなって

めっちゃ高いってワケじゃねぇけど、今日は、オレが払うから(笑)


ま、バレンタインのお返しってことで」






「バレンタインなんて、そんな少ししか……



あの…それより、誕生日という大事な日に
私なんかでよかったんですか?


彼女さん、大丈夫でしたか?」







「彼女?

そんなのいねぇけど」

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作者名:みんと | 作成日時:2024年3月23日 8時

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