おおかみとあかずきん (ページ36)

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３５話ページ36

学芸会当日。

体育館には保護者が沢山。

全員は座りきれず、立ってみている人もいた。

アナウンス「只今より、６年生の発表となります。小学校生活最後の６年生は〝赤ずきんちゃん〟を懸命に練習してきました。皆様どうぞ最後までお楽しみください。」

幕が開いて劇が始まる。

Aが母親からおばあさんのお見舞いに行くように促される場面だ。

まだぶどう酒に納得いかないような顔はしていたものの練習の成果もあってスラスラとセリフを言った。

森に入れば鳥が歌を歌い、花が赤ずきんに話しかける。

大神『こんにちは赤ずきんちゃん。』

俺の登場する場面になって、ステージに立つと、たまたま俺の両親とAの両親が目に入った。

見られていると思えば緊張する。

ここのセリフ、実を言うと〝こんにちは。可愛い可愛い赤ずきんちゃん〟だ。

可愛いなんか言えるか。

A『こんにちは、おおかみさん！』

大神『赤ずきんちゃん、今からたった一人でどこに行くの？』

A『おばあさんが寝込んでしまってお見舞いに行くところよ。』

大神『なるほど、おばあさんの家はどこにあるんだい？』

A『森のずっと奥なの。』

ここでおおかみは悪い事を考え、先回りをしおばあさんを食べてしまう。

おばあさんになりすましたおおかみは赤ずきんを丸呑みし、猟師に腹を切られ石を詰められた。

お腹が重いことを食べ過ぎだと思ったおおかみは川へ水を飲みに行くと、バランスを崩して川の中へ。

おばあさんと赤ずきんちゃんにハッピーエンド。

それで終わり。

劇終了のアナウンスがなると、拍手が贈られた。

最初は低学年でもできそうな劇だと思ってたけど、終えると小学校生活最後と言うこともあってかやりきった感があった。